「僕自身も人との会話が苦手な時期があって…」
――ほかに輝夫を演じる上で、意識したことはありますか?
入江さんが、人との関わりを絶ってしまった兄・輝夫が、妹の要を通して今生きているこの現実といかに向き合っていくか、そこを細かく作りたいとおっしゃっていたので、相手と目を合わせなかったり、早口でまくしたてて話したりするようにしました。
ひねくれてるんですけど、僕自身も人との会話が苦手な時期があって。とりあえず必要なことだけバーッと言って、あとは「そうですね! ありがとうございます!」という感じで切り上げて去る。それが結構滑稽で面白かったりするんですよね(笑)。自分でも、「あ、こういうところあったな」というのを活かしつつ輝夫を作り上げていきました。客観的に見たら、なんだか可愛く見えるような、そんなキャラクターを意識してやっていましたね。やったことがあるようでない役だったので、非常にやりがいがあって、すごく楽しくやらせていただきました。
――輝夫はキャラクターだけでなく、衣装もユニークでしたよね。
輝夫と要にとって、両親が亡くなってしまった影響はやっぱり大きくて。要はその悲しみをどう埋めていくかというときに、滋(薬丸翔)に出会って結婚して、何とか前を向こうとしていたのですが、輝夫はその死を受け止められなかった。結果、韓国の別荘に一人で引きこもることになったんだと思うんです。親の遺産だけで生きていける財力があるからこそ、輝夫の部屋はすごくいろんなもので溢れていて、でも、すべてが中途半端なままで放置されているんですよ。たとえば、好きなプラモデルとかも完成せずに途中で終わっちゃってます。服もその一つで、お金があるからこそブランド物をはじめとにかくたくさん持っている。だから、毎日違ういろんなものを着るみたいな。そういうセットをスタッフさん方が楽しみながら作って説明してくださったので、僕も輝夫に対するアイデアがどんどん湧いてきました。
11月19日(金)公開
出演:岡田将生 川口春奈
渋川清彦 山田真歩 薬丸翔
パク・イヒョン パク・ソユン キム・テヒョン
真木よう子 緒形直人
原作:前川知大「聖地X」
監督・脚本:入江悠
音楽:SOIL&"PIMP"SESSIONS 海田庄吾
エンディングテーマ:SOIL&“PIMP”SESSIONS「Face」(Getting Better / Victor Entertainment)
配給:GAGA 朝日新聞社
公式サイト:seichi-x.com
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