――現場でもこんな感じだったんですか?
袴田「ずっと話をしていました。船上パーティーのシーンとかは一緒のテーブルだったので本当にうるさくて」
片桐「絶対周りはうるさいと思っていたはず」
坪倉「何か袴田さんが料理を見る度に、『僕、これ食べれないじゃないですか』って言ってきて。そんなの知らんし(笑)」
片桐「そこからはずっと『知らんし』の連呼」
坪倉「『僕って○○じゃないですか』『知らんし』ばっかり(笑)。周りのテーブルの人は本当に困ったはずですよ」
袴田「芝居に集中しろよってね(笑)。あと同じテーブルに竹中(直人)さんいたよね」
坪倉「竹中さんは、なぜかずっと口笛を吹いていた…」
片桐「『イパネマの娘』でしょ。それもちょっとよく分からなかったけど(笑)」
袴田「でも本当に楽しかった。ドラマの現場でも最初はもっとちゃんとお仕事という感じだったのにどんどんくだけていって…。特に劇場版は久々にみんなが集まったお祭りみたいだったから。待合室も全員が同じ部屋だったんで、何か親戚の集いみたいな感じ」
片桐「どんどん楽しくなったのは、僕らが何をしても坪倉がちゃんと整理してくれる安心感もあるのかも。同級生のコンビの中にちゃんとしたツッコミが現われたみたいな感じで、かなり救われた気がする」
坪倉「『知らんし』(笑)」
――ストーリーはコメディーとミステリーのバランスがいいですよね。
袴田「僕らはピリッとしたシーンは少なかったかも」
片桐「特に船室のシーンはなぜか常にギュッと寄っていてくれと言われていたのでずっとこの調子」
坪倉「狭い船室なのに1個のベッドに集まって座ってトランプをするという…。もうほぼ修学旅行。なので、ミステリー部分のピリッとしたところは僕たちは少し遠ざかっていたというか…」
袴田「だけど常にゴルフバッグを見せたがっていたじゃん」
坪倉「ドラマでは加世ちゃんの足が出てきたゴルフバッグ、今回は船上なのにわざわざ持ち込んでいます。中から何が出てくるのか…」
片桐「かなり注目です」
袴田「だけど笑えて怖いというかなり絶妙な作品になっているのがすごい」
片桐「見ながら、これはどんなジャンルの作品なんだっけ?って何度も思った。内容を知っているのに思っている展開と違うと感じたり…。複雑だからこそいろいろ感じられるというか」
坪倉「あとはドラマの黒島ちゃん(西野七瀬)のことを知っているからこそ、映画を見ていても怖さもあるというか。2年前の分岐点で世界は変わっているけどキャラクターの根本は変わっていないので」
袴田「その絶妙な変化と変わらなさも面白いと思います」
――児嶋もいいキャラでしたが、本当に皆さんのキャラクターがすごかったですね。
坪倉「やっぱり袴田さんのシーンは笑っちゃいました。久住もヨシヒコも。久住がヨシヒコに似ているっていう設定だけで笑っちゃうというか」
片桐「“袴田吉彦”という名前もいいよね。放送されたときは、女子高校生から『袴田吉彦だ!』って顔指されたでしょ」
袴田「結構言われたな。知り合いからも『面白い役で出ていますね』って言われたりして。でも全然犯人っぽくはなかった(笑)」
片桐「それは僕も。藤井はモテたい欲が強いからちょっと面白い感じでリアクションをとってたんだけど、それがどうも最初からコイツは犯人じゃないなという空気になっていたみたいで。監督から『あれはよくなかったですね』って言われちゃった(笑)。やっぱりこの人は怪しいと思わせないとダメだったみたい」
袴田「やり過ぎちゃったよね」
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