岡田結実が明かす、“朝ドラ”出演秘話 「実はヒロインのオーディションを受けさせていただいたんです」<カムカムエヴリバディ>
岡田結実 インタビュー
――「カムカムエヴリバディ」に出演することが決まったときのお気持ちは?
実は私、この作品のヒロインのオーディションを受けさせていただいたんです。“朝ドラ”のオーディションを受けたのは久しぶりで、3度目くらいのチャレンジでした。大阪で受けた最終審査では台本がとても難しく感じて、安子という人物を演じ切るのは無理だなあとオーディションを受けながらも感じてしまい、悔しかったです。「きっとこの作品に関わることは叶わないだろうな」と、号泣しながら NHKから帰ったんですよ(笑)。雪衣役でお声がけいただいたときは、あたたかいスタッフさんたちと恵まれた環境の現場に、ドラマ制作の一員として参加できることが純粋にうれしかったです。「カムカムエヴリバディ」という作品に携わることで、人としても成長できたらと思っています。
――ご自身の役柄についての印象は?
私自身は雪衣と正反対です。演じるに当たって、雪衣と似ている部分を探してみましたがあまり無くって…。(人を好きになったとき)雪衣は抑えて抑えてあふれちゃうっていうタイプで、私は抑えられない人間です(笑)。だから、勇に対する気持ちをどこまでこのシーンで出すかとか、どこまで抑え込んでいるんだろうとか、繊細な部分が難しかったですね。(好きという気持ちが)出過ぎてないかなって心配で、モニターを見ては好きが出過ぎてないかな…? とチェックしていましたね。
――初代ヒロイン・安子役の上白石さんの印象は?
雪衣は健気ですてきだなと思うのですが、奥が深過ぎてよく分からない部分に苦戦しています。息苦しいだろうな、切ないだろうなと思います。だからこそ雪衣は優しい人になれるのだとも思います。私も雪衣のようにだれかのために行動する、無条件な愛を見つけたいなと台本を読んで思いました。
萌音さんは本当にテレビで見るまんまの柔らか~い方です。あんこのように、みんなを包み込んで甘い気持ちにしてくださる方です。お芝居もすごく柔らかくて、雪衣としては安子さんと関わるとちょっとジェラシーを感じるシーンもあるのですが、そういうシーン以外ではずっとこの柔らかい場所でお芝居していたいなと思える、そんな空気を作ってくれる方です。役柄のイメージや、るいの子役さんと接している雰囲気のせいもあって、現場にいるときの萌音さんはみんなのお母さんみたいな存在だと思っています。
雪衣は濱田岳さんが演じられる算太とも関わりがある役なのですが、私、濱田さんが大好きで! もう濱田さんに緊張しちゃって、演技ができないという現象がありました(笑)。当時はお家柄や昔からのかたちにいい意味でも悪い意味でも縛られていた時代かなと思うんですけど、算太さんってほんとうに型にはまらず、家柄などにもとらわれず、自分の好きなように生きている人で、これからの自分の人生を考え直してしまうぐらい私にとって衝撃的な役でした。
――放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。
ドラマの中には観ていてつらくなるシーンもあるとは思うんですけれど、それを越すぐらい、あたたかで柔らかい、あんこのような世界観に浸っていただけると思います。この作品は「みんなにひなたの道を歩いほしい」というメッセージがすごく伝わる作品ですが、見ている方に無理して明るくしてと押し付けるようなものではなくて、「自分なりのひなたの道を見つけてね」といった感じなんです。とても心に寄り添ってくれる作品だと思うので、何も考えずに安子たちを見て、ちょっとでもあたたかい気持ちで朝を迎えていただけたらなと。そんな思いを込めて作品に携わらせていただいております。