こういう時期に作った作品という思い出にもなりつつ、それがあったからこその一体感だったのかな
――コロナ禍での撮影ということで意識されたところもあったかと思いますが、いかがですか?
今回、撮影に入る前にZoomでお芝居を合わせたんです。私にとっては初めての試みで、どういう感じなんだろう?とは思ったんですけど、ある程度“こういう感じ”っていうものを想定して現場に挑むことができたので、面白い試みだったなと思いました。
でも、本番となるとみなさんやっぱり集中力とかが違うんですよね。特に長尾くんの力の入れようはZoomの時とは全然違っていて、ものすごく役に集中しているんだなと思いました。
あと、美術部さんが作ってくださったんだと思うんですけど、“STAY HOME HOMESTAY”と描いてあるスタッフTシャツをいただいたんですよ。それがすごく上手いなあと思って。こういう時期に作った作品なんだなという思い出にもなりつつ、それがあったからこその一体感だったのかな、とも思います。
役者をやっていることって、“ホームステイ”をしているようなもの
――それは思い出深いですね。今作はAmazon初の日本映画作品なんですよね。
映画館に足を運んで見る方だけじゃなくて、家で今日は何を見ようかな?っていう感じで探して見ていただいたり、移動中に見ていただいたり、そんなふうにいろいろな形で見ていただくことになる映画なんだなと思っていて。他の国の方だったり、いろんなところで見ていただけると思うと、すごくワクワクしますね。視覚的な楽しさもある作品だと思うので、そういうところは言葉や文化の違いなど関係なく同じ感覚で見ていただけると思うし、一転人間関係の部分ではすごく日本的な部分もあるので、そのバランスがどんなふうに受け止められるのか楽しみです。
――視覚的、というとマスゲームのシーンがすごく印象的でした。
撮影現場では実際には見れなかったので、映画で見て私もビックリしました。たぶん、初めて映画を見てくださった方と同じ感動を、私も味わったと思います。この作品はシロと一緒に真の人生を追体験するような感覚で見られる作品だと思うんですけど、マスゲームのシーンはその中でも集大成と言えるようなシーンだと思うんですね。言葉で表現しきれない感動みたいなものがあるシーンなんじゃないかなと思います。
――この『HOMESTAY』は、改めてどんな作品に仕上がったなと思われますか?
この世界は素晴らしい!と人生を楽しむ反面、だけど一筋縄ではいかないんだよということが、すごくいいバランスで描かれていて、それによって気づきを得られるような作品なんじゃないかなと思います。シロと一緒に“ホームステイ”を楽しみながら見てほしいなと思います。
――山田さんは“ホームステイ”をしてみたいですか?
役者をやっていることって、“ホームステイ”をしているようなものだなと思って。私はちゃんと帰ってきていますけど(笑)、違う人の人生をいろいろと学ぶ“ホームステイ”を体験しているんだなということに気付かされました。
シロのような経験をしたいかと言われたら、ちょっとお腹いっぱいだなと思いますが(笑)、たぶん“ホームステイ”をして気が付かないうちに得ていることってたくさんあるんだなと、今思いました。
インタビュー&文=大窪由香
アミューズ