アニメパート公開に出演者、スタッフからコメントが到着した。
岸井ゆきの(湖谷真奈役)
脚本を読んだ時はあまり想像ができていなかったのですが、完成版を観た時に「こんな風に実写とアニメが折り重なっていくんだ」と感動しました。
アニメがラストシーンに向かう橋渡しの役割をしていて、実写では伝えられないことをより観客の皆さんの心にダイレクトに届けられていると思います。ぜひ劇場で確認していただきたいです。
浜辺美波(卯木すみれ役)
一番最初の顔合わせのときにアニメーションの映像を見せていただきました。不思議なのですが、腑に落ちた気持ちにもなり、同時にアニメーションの中の女性の姿に必死に涙を堪えたのを覚えています。
私にとってあのアニメーションがあったことは役を考える救いになりました。映画全編を通してみるとまた受け取る感情が変わるのではないかと思っています。
この映画を観てくださった皆さまがどんな感想や解釈をお持ちになるのか、とても気になっています。お待ちしております。
久保雄太郎(アニメーション監督)
アニメーションは、形のないものを象っていく性質をもっています。一つひとつ描いていった輪郭は、彼女、彼らの記憶であり、想いであり、時間であり。大切なものを想い、大切なものに気づかされながら、誰かの代わりに日記を書くように、あるいは記録をするように形を作っていきました。
アニメーションによって語られた時間が、言葉にはし難い何かに触れられていればと思います。
米谷聡美(アニメーション監督)
あったかもしれない未来や、憧れに胸を焦がし、いつのまにか記憶が混濁していく。儚く移ろい続け、とどまることを知らない水面の反射に、真奈とすみれを重ね合わせながら、あらゆるゆらぎに寄り添いたい一心でアニメーションに挑みました。閉じ込められていた時間が、ゆっくりと解けていく様子を、お届けできれば幸いです。
中川龍太郎(監督)
詩によってしか表現し得ないものがある。そう思い、物語の冒頭と末尾においては、台本の形ではなく、詩を書きました。その詩を久保さんと米谷さんという二人の天才アニメーション作家に表現してもらいました。
実写だけでは表現しきれなかった、ひとの痛みや孤独、祈り、希望といった無数の感情を流れるようなイマジネーションの連鎖とともに紡いでもらいました。
ぜひ劇場の大きな画面と暗闇の中で体感してもらえましたら幸いです。
ストーリー
引っ込み思案で自分をうまく出せない真奈は、自由奔放でミステリアスなすみれと出会い親友になる。しかし、すみれは一人旅に出たまま突然いなくなってしまう。
あれから5年―真奈はすみれの不在をいまだ受け入れられず、彼女を亡き者として扱う周囲に反発を感じていた。
ある日、真奈はすみれのかつての恋人・遠野から彼女が大切にしていたビデオカメラを受け取る。そこには、真奈とすみれが過ごした時間と、知らなかった彼女の秘密が残されていた…。
真奈はもう一度すみれと向き合うために、彼女が最後に旅した地へと向かう。
杉野遥亮 中崎敏
鶴田真由 中嶋朋子 新谷ゆづみ / 光石研
監督・脚本:中川龍太郎
原作:彩瀬まる「やがて海へと届く」(講談社文庫)
脚本:梅原英司 音楽:小瀬村晶 アニメーション挿入曲/エンディング曲:加藤久貴
エグゼクティブ・プロデューサー:和田丈嗣 小林智 プロデューサー:小川真司 伊藤整
製作:「やがて海へと届く」製作委員会 製作幹事:ひかりTV WIT STUDIO
制作プロダクション:Tokyo New Cinema
配給:ビターズ・エンド ©2022 映画「やがて海へと届く」製作委員会
2022年/日本/カラー/アメリカンビスタ/DCP/5.1ch/126分
『やがて海へと届く』公式サイト