独特のユルさとバカバカしさと、1割の本気(笑)
――ドラマも後半戦へ。ここまでシーズン2を振り返って反響はいかがですか?
第1話が放送される時はすごく緊張していたんです。帰って来たからには前作よりもパワーアップしていたかったですし、皆さんの期待を上回るような作品にしたいと思っていて。どんな反応なのかドキドキしていましたけど「戻って来てくれてうれしい」とか「この雰囲気、懐かしい」という声をたくさん頂けて安心しました。
――澪とシェアハウスの妖怪たちの愉快なやりとりを見ていると「これが妖怪シェアハウスだよな」って思いますもんね。
独特のユルさとバカバカしさと、1割の本気(笑)。ホラーコメディーということで9割ぐらいはふざけているんです。大人たちが本気でおバカなことをやりつつ、時代に沿ったテーマというか環境問題、差別といった社会的なテーマも盛り込まれていて。その本気さがあるからストーリーとしても成立しているし、何も考えずに笑いながら最後にちょっと考えさせられたりすることも。それはシーズン1も同じでしたけど、さらに面白くなって帰って来たのかなと思います。
――小芝さん自身、連ドラで「シーズン2」を体験するのは初めてですが、同じキャラを継続して演じる難しさと面白さはどんなところですか?
皆さんが面白いと思った作品はいい思い出として残っているから、「続編で面白くなくなった」とか、「シーズン1と変わっちゃったね」って言われるのが怖いなと感じていて。前作から1年半ぐらいたっていましたし、澪としてちゃんと戻って来られるのかという不安があったんです。でも、撮影現場に入ってシェアハウスの妖怪さんたちとお会いしたら、そんな不安は一気に吹き飛びました。
面白いところは、同じ役を演じていても話が変わると新鮮に感じることができて。前回は周りの人間たちに意地悪されていた澪を妖怪さんたちがやっつけてくれたんですけど、今回は人間社会にもまれた妖怪さんたちが“闇落ち”して悪さをするという新たな展開。その中で、澪が何を思うのか、どんな行動を取るのか。毎回、楽しみながら演じています。
ぬらりさん(大倉孝二)のぼやきも相変わらずユルいですし、スタッフさんも前作とほぼ同じメンバーということでクランクインの時からチーム感やホーム感があるのはシーズン2ならではなのかなと感じています。
――ゲストの妖怪キャストも豪華ですよね。
そうなんです。それにゲスト妖怪として出演するキャストの方たちがいろいろアイデアを出してくださるんです。だから「妖怪シェアハウス」の妖怪さんたちは、みんな本当にかわいい。キャラも立っているし、演じている俳優さんたちの愛を感じています。
“セルフスローモーション”にも注目
――今後の見どころは?
7話(5月21日放送)からは「最終章」です。澪が勤めている会社に妖怪がたくさんいるのかもしれない、そして“闇落ち”の原因は何なのか。妖怪たちは我を失っていたと言うけど、それはどういうことなのか。いろいろな謎が明らかになっていきます。最後に登場する敵キャラのビジュアルにも注目してほしいです。その敵キャラと対峙(たいじ)するシーンでは“セルフスローモーション”が楽しめますよ(笑)。
――セルフということは自分でゆっくり動いているということですか?
そうなんです。すごく楽しい撮影でした。その戦いは狭いシェアハウスの居間で繰り広げられるので、後ろの方でちょっと映っているぬらりさんもちゃんとお芝居をしてくださっていて。押された拍子に障子にぶつかるシーンを楽しそうに演じていらっしゃいました(笑)。この戦いのシーンは、ぜひ見てほしいです。
――そして、6月17日(金)から「映画 妖怪シェアハウス-白馬の王子様じゃないん怪-」が公開されますね。
タイトルで何となく分かるかもしれませんが(笑)、映画では澪の恋愛が描かれます。妖怪さんもドラマ版と違って、現代に妖怪さんが誕生するならこんな感じなのかなという新しいキャラクターが登場します。
――AIを絡めた妖怪も出て来るとか?
これまでは、身の回りで不思議な現象が起きた時に「これは妖怪の仕業なのかもしれない」というところからいろいろな妖怪が誕生してきたんですけど、現代でもスマホに依存する人が多いのは新しいタイプの妖怪のせいなのかもしれない、って思うと考えさせられますよね。
昔の妖怪は人間の欲やわがままな心が生み出したものだったりするけど、新しい妖怪は欲があるから争いが生まれると考えていて。全然違うタイプの妖怪同士の戦いも見どころになっているのかなと思います。
――ちなみに、今後ますます人間の生活に浸透するであろう「AI」を使ってやってみたいことはありますか?
いい睡眠が取れるような機械を作りたいです。眠りが浅くて夜中に何度も起きたり、寝つきが悪い時があるんです。効率よく睡眠が取れる機械が欲しいです。
ワニブックス
発売日: 2020/12/24