ドラマを見ていて「この俳優さんの以前出ていた作品も見てみたい」って思うこと、ありますよね。そんな人のためにおすすめしたい「あの人は実はこの作品にも出ていたんですよ」とか「これを見逃してませんか?」という、この夏に配信で見られるドラマをピックアップしました。
「中学聖日記」(TBS・2018年)
「MIU404」で岡田健史さんを初めて知った、という人に特におすすめしたい、岡田さんのデビュー作です。新井順子プロデューサーをはじめ、「MIU404」のスタッフも多く関わっています。憧れの中学校教師になれた末永聖(有村架純)と、彼女に何かと突っかかっていく生徒、黒岩晶(岡田健史)。聖には遠距離恋愛中の素敵な恋人(町田啓太)がいるのに、黒岩くんにどうしようもなく心ひかれてしまう。中学生とその担任教師の恋愛というあやうい題材を、下品にならないぎりぎりのラインに留まってせつない純愛ドラマにしたのは、岡田さんの初々しく凛とした姿と、有村さんの清潔感、美しい映像と美しい音楽などの力。こんなのいけないよね……と思いながら何度も涙ぐんでしまったドラマです。
「シャーロック」(フジテレビ・2019年)
天才的な頭脳の持ち主で傍若無人な犯罪捜査コンサルタント・誉獅子雄(ディーン・フジオカ)と、ある事件をキッカケに彼と出会い、振り回され、彼と同居する羽目になる、秘密を抱えた精神科医・若宮潤一(岩田剛典)。このふたりがバディとなり、いろいろな事件を解決していくミステリードラマ。シャーロック・ホームズシリーズを、現代の日本を舞台に映像化し、スリリングでスタイリッシュな作品となっています。次第に強く結びついていく獅子雄と若宮がとにかく魅力的ですが、佐々木蔵之介さんが演じる、飄々とした江藤刑事も素敵です。映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」も公開中。
「今日から俺は!!」(日本テレビ・2018年)
転校を機に金髪パーマにしてツッパリを装う三橋貴志(賀来賢人)と、ツンツン頭にして同じく転校デビューの伊藤真司(伊藤健太郎)。この2人がおバカなコンビとなって暴れまくるコメディードラマ。若い俳優達による1980年代のツッパリの再現と、ナンセンスなギャグの洪水に、身をゆだねて「バカだな~」と笑って楽しめるのがいいですよね。主演の2人の他にも、女番長の橋本環奈さん、彼らと敵対する危ない男の磯村勇斗さんなどみんな魅力的で、特に武道の達人・理子を演じた清野菜名さんの身体能力を活かしたアクションシーンがかっこよくて大好きです。小栗旬さん、柳楽優弥さん、中村倫也さんなどの主役級の人たちがゲストで出てくるのも、無駄に豪華でおもしろい。
「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(フジテレビ・2016年)
杉原音(有村架純)と曽田練(高良健吾)を中心に、高畑充希さん、西島隆弘さん、森川葵さん、坂口健太郎さんなど、人気若手俳優が大集合した、甘いだけではない恋と人生が描かれる群像劇。彼らのみずみずしさはもちろんいいのですが、このドラマでは、練と同じ会社に勤める男を演じた高橋一生さんのことが忘れられない。彼が練をいじめる姿は恐ろしいけれど、ただの脇役の悪人に収まり切らない、なんとも言えない深みがある。狂気と憐れさを同時に持って生きている複雑な人物。こんなの高橋一生さんしか体現できないですよね。
「デート~恋とはどんなものかしら~」(フジテレビ・2015年)
仕事面ではとても優秀だが融通がきかず、他の人とうまく交流できない公務員の藪下依子(杏)。高等遊民を自称して職につかず、マンガや小説など趣味の品でいっぱいの部屋に引きこもる谷口巧(長谷川博己)。この「普通じゃない」ふたりが結婚相談所に登録して出会ったことではじまる物語。彼らのぎこちないデートのコミカルさに笑わされつつ「普通って何?」「人を好きになるってどういうこと?」と、ずっと自分の価値観について問いかけられているようなドラマです。最終回の「ラブシーン」の美しさをぜひ見て欲しい。
※7月4日(月)より配信予定
これらのおすすめドラマは全て、TVer「名作ドラマ100本!」で無料配信中・配信予定。期間限定配信の作品もありますので、気になったものはお早めにチェックしてみてくださいね。
■イラスト・文/渡辺裕子