大泉洋「なぜ三谷さんはここまで頼朝をダメに描くんだろう」も、三谷幸喜への感謝「感謝しかない」<鎌倉殿の13人>
義時についてはもう会った途端から好き
――孤独な頼朝が義時については、どうして信頼に値すると思っていたのでしょうか。
頼朝は、直感的な判断で人を見ていたと思います。義時についてはもう会った途端から好きというか。小栗くんが演じている義時という人は、真面目だし、野心がない。そういうところを見ていたのだと思います。結局、義時は頼朝についていき、頼朝を見てどんどん変わっていってしまうので、そこもまた「大泉のせい」と言われてしまうんだろうなと思っています(笑)。
――頼朝から見ても、義時は「自分に似てきたな」と思うことはあったのでしょうか。
顕著になるのは頼朝が亡くなってからだと思います。曽我兄弟の仇討ちの収め方とかも、義時ならではというか。義時が、とても賢い人だということを頼朝は見抜いていたんだと思います。でも「自分に似てきてるな」と思っていたかと言われると、僕はそう思って演じてはいなかったです。
今回の『鎌倉殿の13人』は頼朝が死んでからが大事なお話だと思います。だから当初、小栗くんとはLINEで「早く大泉死んでくれないと困る」とか「三谷さん頼朝を描きすぎた」などと話していました。でも、僕が死んでからは「いやぁ、頼朝さんは死ぬのが早すぎた」と手のひらを返されました(笑)。頼朝がやっていた厳しい決断を、今度は義時が下しているんだろうなと思っています。
息子・頼家のかわいさとは…
――頼朝から見た息子・頼家のかわいさはどんなところでしたか?
実は頼家(金子大地)とのシーンは少なかったのですが、「金子大地が演じているのだからかわいい」としか言いようがないんじゃないかな(笑)。頼家は巻狩りで獲物がとれなくて、頼朝と御家人たちが用意した動かない鹿ですら当たらないんだけど、それでも「いつか必ず自分で獲れるようになる」と一生懸命な部分はいいなと感じていました。
(第21回の)万寿と金剛が顔を合わせた時、頼朝が「万寿、金剛を大事にせよ」と言っても万寿は無視して、「母上、庭で遊んで来てもいいですか」と言っていて、全く話を聞いていないなと思いました(笑)。口のきき方なども含めて、甘やかしてしまったなと思います。