コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、体が“金塊”になっていく希少な病気にかかった美女と優しい盗賊男の物語を描いた創作漫画『体がだんだん金になる女と盗賊男』をピックアップ。作者の江戸川治さんが2022年7月25日にTwitterに投稿したところ、3.2万以上(8月18日現在)の「いいね」とともに、多くのコメントが寄せられ反響を呼んだ。この記事では、江戸川治さんにインタビューを行い、創作の裏側についてを語ってもらった。
根は優しい盗賊男と“ミダス病”の美女 二人の運命を変える出会いを描いた物語
借金取りに追われる盗賊の男はある日、馬に乗って歩く美しい女を見かけ、銃を向けて「西の都へ連れていけ」と脅す。盗賊男は自らを“ここらじゃ残忍で有名な賊”と名乗り、西の都で銀行強盗をする計画を打ち明けながら、美女の肌の一部が“金”になっていることに気づく。美女は、世界で数例しか発病していない“ミダス病”だったのだ。ミダス病とは体がどんどん金になっていく希少な病気で、完全な金塊に至るまでに1週間かかる。金塊となった体には100億の価値があると言われることから、ミダス病患者は“歩く金塊(エモノ)”と呼ばれていた。発病から2日目だと明かす美女に、あと5日間、美女を男たちから死守し、金塊になったら売って借金を返そうと考えた盗賊男は、山を越えた森の奥にある洞窟に二人で向かう。
その夜、美女の腕にロープをゆるく結び、自身が着ていたジャケットを美女の体に掛け、先に眠りに落ちた盗賊男。その隣で簡単にロープを解いてしまった美女は、こっそりとその場から逃げ出す。しかし、これまで出会った人物から受けた乱暴や心ない言葉が蘇った美女は、盗賊男の言動には優しさがあることを感じ、彼の元へ戻る。翌朝、美女が逃げなかったことに驚きを隠せない盗賊男。「貴方が本当は優しい人だと思ったから」と話しながら盗賊男が自分の境遇と似ていると思った美女は、私が死んだらこの体を売って借金を返し、幸せに暮らしてほしいことを伝えると、盗賊男も感激して受け入れる。
4日目、目的の洞窟に美女を残し、盗賊男は食料を調達するため街へ出る。そこで借金取りと鉢合わせとなり、「借金をチャラにする代わりに女の居場所を教えろ」と暴行されるも、一瞬の隙をついて逃げることに成功する。洞窟まで歩いて戻った盗賊男を美女は心配し、優しく抱き寄せるもその腕はすでにほぼ金と化していた。
翌日、洋服を破いて包帯を作り、痛む腕に巻きつける盗賊男。すでに全身のほとんどが金となった美女は、右目だけが見える状態になっていた。7日目、ついに全身が金になり、口だけが残った美女に盗賊男は「寂しい思いはさせないから、オレ…ずっとそばにいるから」「これからもずっと」と約束する。しかし美女は「絶対私のことを売ってお金持ちになって幸せになってほしい」と伝え、「貴方の事が好きです」と明かす。それに対して「君の目が見えなくてよかった」「オレも君の事が好きだ」と答える盗賊男だが、包帯から見える腕は一部が金と化していた。実は盗賊男も美女と同じミダス病患者だったのだ。盗賊男は“ずっとそばにいる”という誓いを守るように金塊と化した美女を抱きしめ、口づけながら、自らの全身がすべて金になるときを待った。
美女と出会ってから変化していく盗賊男の心情と、切なく儚い2人の愛の形が、読者の涙を誘う同作。Twitter上では、「なんていいお話なんだ」「何回読んでも泣いちゃう作品」「感動した」「この作品に出会えてよかった」など、読者からのコメントが続々と寄せられ、話題を集めている。
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