阿部寛が主演を務めるドラマ「すべて忘れてしまうから」の第6話が10月19日に配信。第6話では、失踪中の“F”(尾野真千子)の現在の様子が初めて映像で描かれた他、「Bar 灯台」の従業員・フクオ(宮藤官九郎)に対し、アルバイトの泉(青木柚)が意を決して自身との親子関係を打ち明ける場面が。その後の2人の穏やかなやりとりが印象的だった。(以下、ネタバレを含みます)
「すべて忘れてしまうから」とは
同ドラマは、今最も話題の作家の1人である燃え殻のエッセイを国内トップクリエイターがドラマ化した話題作。阿部演じる作家“M”を主人公に、消えた彼女“F”(尾野)を巡る、大人の心に染みわたるミステリアスでビタースイートなラブストーリー。ディズニーの公式動画配信サービス・ディズニープラスのコンテンツブランド「スター」で毎週水曜昼4:00より独占配信中だ。
物語の主人公となる“M”を阿部、“M”の失踪した彼女“F”を尾野が演じる他、“M”の行きつけであり、物語のキーとなる舞台「Bar 灯台」のオーナーをChara、同じバーで働く元バンドマンの料理人役を宮藤、“F”の元同僚役で大島優子、そして“F”の姉役で酒井美紀が出演。さらに、異例の試みとしてエンディング楽曲を毎話異なる10組のアーティストが担当している。
「Bar 灯台」の常連客から前職で知り合い、親しくなったテレビプロデューサー・大関が病に伏せていることを知らされた“M”は、かつて勤めていた制作会社を訪問。見知らぬ顔ばかりの以前の職場に戸惑う中、以前と変わらない様子の社長(渡辺いっけい)と再会する。
その夜、「Bar 灯台」に立ち寄った“M”は、“F”の姉(酒井)と遭遇。彼女に“F”と電話で話したことを伝えると、姉は“F”の息災に安心した様子を見せ、「いろいろありがとうございます」と丁寧に頭を下げる。さらに、いつものように“M”が“リフォーム代”を差し出すと、「もういいです。無事にリフォームも終わりましたから」と語り、「変わっていくんですよ。全部」と意味深な言葉を残して去った。
一方、「Bar 灯台」のアルバイト・泉は従業員のフクオに、自分とフクオが親子であることを打ち明ける。フクオはさすがに少し驚いた様子を見せつつも、「今まで会いに行かなくてごめんな」と自然に声をかけ、2人で夕食を共にすることに。
そんな中、“F”は海に面した豪華なホテルの一室でスマホゲームをしながら時間を潰した後、夜明けの海を眺めながら物思いにふけっていた。
親子関係を告白した後の2人は
この回では“F”の再登場もさることながら、泉とフクオのやりとりがとても印象的だった。これまで黙っていた泉が、フクオに息子だということを打ち明ける場面。泉側からすると、父に対してうらみのような負の感情はなさそうだったが、フクオ側の視点からすると、ともすれば今ごろ現れた息子は“バツが悪い存在”であることも考えられた。黙って自分に近づいたことへの怒りもあるんじゃないか、とも。
しかし、実際にはそんなこともなく、どこまでも自然体な2人。告白した後も「メシ食いに行くか」と町のラーメン屋さんに行き、カウンターでラーメンをすする。それでいて関係性の変化を意識した、フクオからの何気ない「あのさ、(親子なんだし)もう敬語やめない?」というのもグッときた。その後の会話でも、いろいろ違った角度で積もる話はありそうなのに「大金が入ったらどこに行きたい?」とか、普通にたわいない話ができるのも、フクオの懐の深さなのだろうし、それに対して泉も「宇宙かな」と答える無邪気さ。
「宇宙」と聞いて意味深にクローズアップされた耳の長い店主が宇宙人かどうかはともかく、なかなかディープな告白をした後とは思えないくらい、ある意味“不器用な父子”による穏やかな時間が流れており、ずっと眺めていたくなるほどほっこりした。
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/because-we-forget-everything
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