それぞれ事情はあるけど、一緒にいることに意味がある
――先ほどのお話にもありましたが、恋愛も含めて他人の事情ってセンシティブなこともあってなかなか踏み込みづらいですよね。昨今のコロナ禍も相まって身体的にも精神的にソーシャルディスタンスが求められる中、あえて一般の方の自宅に訪問し、人生に深く切り込む番組を作る意義はどこにあると思われますか?
あまり深く意義について考えたことはなく、多くの人が他の人の恋愛に興味があるという仮説に基づいてトライしてみたというのが正直なところではあります。もしかしたら全然カップルが捕まらない可能性もあった。でも試してみて、カップルの家について行ったらそれぞれのカップルにドラマがあった。それは結果論でしかありませんが、最終的に色んな恋愛の形があることをお伝えできたのかなと思っています。
――実際に出来上がった番組は、観た人も改めて自分の恋愛について考えさせられる内容になっていました。
観た人が恋愛に対して後ろ向きになるようなバッドエンドにはしたくないなと思っていました。なので、結果的にそれぞれ事情はあるけど、一緒にいることにちゃんと意味があるってことを描ければと。またスタジオでも福田さんがおっしゃっていたんですが、VTRに出演してくれたカップルの方々も、カメラが入ることによって、普段はなかなか言えなかった思いを話せる機会にもなったのが意外だったし、発見でした。一緒にいればいるほど話せなくなることもあると思いますが、そういう綺麗だけじゃないところもお見せすることで、結果的に自然体の良さが浮かび上がってきたと思います。
――共感できるところや「そういう考えもあるんだな」っていう新たな発見もたくさんありました。友達と、恋人と、異性と、年齢の違う人と。色んな人同士で番組を見るのも面白そうですね。
飾らない素のカップルの姿から、自分にも返ってくるところがあるという点が、他の恋愛リアリティショーと違うところなのかなと思います。ぜひみんなでお酒でも飲みながら見ていたただいて、恋愛観を語り合うきっかけにしていただけたら。番組の長さ的にも見やすいですし、気軽にチェックしてみてください。
――ちなみに、第2弾についてもお考えですか?
そこは第1弾の反応を見てという感じなんですが、僕自身、もっと無限にあるであろう恋愛の形を見てみたいという気持ちはありますね。コロナがもう少し落ち着けば人の動きもより活発になってくるでしょうし、みなさんに面白いと思っていただけるのであれば、新たな切り口の恋愛リアリティー番組として続けられたら嬉しいです。
■取材・文/苫とり子