キャシアンを追う者たちと、反乱分子のリーダーたち
キャシアンがフェリックスで見事に逃げ遂せて以来、彼に強いうらみを抱いている者がいた。「プリ=モー」保安局の捜査員だったシリル・カーン(カイル・ソーラー)だ。キャシアンのせいで職を失い、仕方なく実家に戻り、母親に小言を聞かされる毎日。叔父の口利きで役所のような「標準局」に勤めるも、キャシアンへのうらみを消せずにいた。
そして、もう1人、キャシアンを追う者が現れる。帝国保安局(ISB)監査官のデドラ(デニース・ゴフ)で、とても勘の鋭い彼女はさまざまな地域で帝国の備品が盗まれているのは一つの組織の仕業で、反乱を計画しているのではないかと推測していたのだ。デドラの狙いはリーダー格のルーセンだが、まずはユニットを盗んだキャシアンから中核に迫ろうとしていた。
実はデドラの追うルーセンは、ISBがある帝国の中心惑星コルサントに住んでいた。骨董品店の主人として店を構えるルーセンは、そこで監視の目を潜りながらモン・モスマ(ジェネヴィーヴ・オーライリー)と密会を重ねていた。彼女は元老院議員を隠れ蓑に、反乱活動に加担しているのだ。アルダーニでの帝国要塞強奪計画は知らなかったが、あとから知ることとなり、手に入れた大金を動かすために不本意な取り引きを行うことになる。
仲間と共に理不尽な扱いを続ける強制労働施設から脱獄
その頃、キャシアンはアルダーニの強奪事件の影響で取り締まりが強化されたことで、何もしていないのに逮捕され、6年もの刑期を言い渡され、強制労働施設「ナーキーナ・ファイブ」に収監されていた。そこは囚人をすべて電気ショックで制御する施設で、まるで人間扱いされない上に、刑期を終えても施設から出られないことが明らかになり、キャシアンたちは脱獄計画を実行に移す。どんな場所にも体制に服従しない精神を持つ人間がおり、キャシアンは以前から彼らと共に計画を練っていたのだ。別のフロアで大量に囚人が殺されたニュースを聞いたキャシアンは、絶好のタイミングを見計らって反乱を起こし、5000人に上る囚人全員を脱走させることに成功したのだった。
適当に金儲けをして暮らしたいと思っていた頃のキャシアンの姿はもうない。帝国の締め付けが厳しくなったことで多くの者の心に怒りの火が灯ってきたが、キャシアンも間違いなく、その1人となりえているようだ。ここからいかにして、反乱軍のスパイとなっていくのかが気になるところだ。
そして、このような中で締め付けを強化することを危惧していたデドラはどんな行動を取っていくのか。信念を貫くためには拷問もいとわない残酷さを持っているが、彼女の信念が帝国側になくなったとしたら、彼女はどうするのか。また、ナルシシズムが過ぎるシリルの行動も気になるところ。彼の行動源は志よりも執着のようなので、デドラよりも執拗(しつよう)にキャシアンを追いそうだ。今後のキャシアンとこの2人の関係性にも注目したい。
◆文=及川静
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