紬の“涙”は圧巻
「silent」の視聴者が釘付けになったのは第1話のラストシーンからという人は多いのでは。高校時代に付き合っていた想と再会した紬だが、想の耳が聞こえなくなっていることを知らず話しかけたところ、手話で「うるさい」と畳みかけられてしまった。置かれた現実を受け止めきれず、ショックで涙を流す紬の姿にもらい泣きしてしまったであろう。
他にも、湊斗に誤解されてしまったときや、別れの電話など、紬が泣いている姿は名シーンが多い。川口は「涙を見せる人によって表情は変えたいなって」と語り、「涙って信頼してる人にしか見せないと思うんです」と紬のキャラクターを完璧に作り上げている。風間太樹監督は「微細な表情ひとつでうまく紬を表現してくださっているなと思います」と川口に信頼を寄せた。
夏帆「手話は気持ちがストレートに伝わる言語」
第2章では紬だけでなく、想や奈々(夏帆)、春尾(風間俊介)らの手話の演技も相当な練習を重ねた上での芝居であることが伝えられた。川口は「だいぶ昔ですけど、手話を習ってたことがあって、興味を改めて感じています」と話し、夏帆は「手話って気持ちがすごくストレートに伝わるというか、描写力も優れていて本当に豊かな言語なんですよね」と手話への思いを語る。手話監修の中嶋さんは「皆さん大事にされていることは、手話は大切な言葉であるということ、見てくれている人の中には当事者であるろう者がいるということ」を、出演者とスタッフの共通認識であると明かしている。
第3章は、演出や照明スタッフの思い、村瀬健プロデューサーが語る“silent”の世界観がまとめられており、妥協のないドラマ作りの裏側をのぞくことができる。配信動画を見た視聴者からは「ドラマ好きとしては制作の裏を見られるコンテンツは本当にうれしいのよ」「夏帆さんが声で言葉を発する人だったとすごくびっくりしてしまった。私の中では手話で言葉を発する奈々そのものになってたから」など、熱い感想が寄せられている。