<終着駅シリーズ>の歴史に幕 主演・片岡鶴太郎、疑惑の女を演じた美村里江の覚悟を絶賛「“ヤバイぞ、これは!”としびれました」
牛尾正直役/片岡鶴太郎コメント
美村さんとは約10年前、連続テレビ小説「梅ちゃん先生」で共演しましたが、当時からお芝居に真摯(しんし)に取り組む姿勢が素晴らしいなと感じていました。
ですから、今回のヒロイン役を演じられるのが美村さんだと聞いた瞬間、「ああ、もう大丈夫だ!美村さんなら受け止めてくださる」と感じ、この時点で作品の成功を確信していました。
そして思ったとおり、美村さんは素晴らしかったですね。この北野英子という役をどう具現化するか、脚本を手に取ったときから彼女の中ではすでに覚悟ができていたみたいで、撮影までに体重を2~3kg絞ったとおっしゃっていました。
最終的にはストーリーの進行にあわせて、さらに“塩抜き”をして体を絞ったと聞きました。塩抜きって、ボクサーが計量前、ガッと体重を落とす方法なんですよ。
アルカイックスマイルで美しい美村さんが、中身はなかなかのボクサーだったとは!「ヤバイぞ、これは!」としびれましたね。美村さんは本当に、英子という人物を全身でキャッチしてくださいました。
美村さんが撮影中、「この終着駅シリーズは、いわゆる“はやりもの”のドラマではなく、かめばかむほど味わいがにじみ出る作品ですね」とおっしゃってくださったのですが、とてもうれしい言葉でした。
これまで、ありがたいことに過去の作品を再放送していただく機会も多かったのですが、確かにどの作品も古さを感じないんです。この「十月のチューリップ」も、人間を掘り下げた普遍的な作品。“終着駅シリーズ”ならではの深い意味をはらんだ、ファイナルにふさわしい物語です。