染五郎、松たか子との共演「ないとは言えない」
6月15日より東京・国立劇場小劇場にて、第一回日本舞踊 未来座『賽=SAI』が上演される。公演を前に、演出・振付・出演という三役を担う市川染五郎、中村芝翫の姉で演出・振付を手掛ける中村梅彌が取材に応じた。
今回は全9公演を行うが、「日本舞踊界にとって大事な新作公演のシリーズ第一回目ですので、緊張しております。ただ、やるしかないと思っています」(染五郎)、「(新作公演は)3年ぶりで、みんな満を持して稽古しておりますので、いろんな色合いの物が作品になっていると思います」(梅彌)と公演前の心境を明かした。
『賽=SAI』は“水”をテーマにしており、「擽-くすぐり-」「女人角田~たゆたふ~」「水ものがたり」「当世うき夜猫」の4つの演目を上演。
染五郎が出演する「水ものがたり」の演出・振付を担当した梅彌は、「絵本を見るような作品にしたいと思っていて、(染五郎は)そこに出てくるヒーローのような存在です。きれいな男性だし、皆さんが喜んでいただけるような作品になっていると思います」とコメント。
一方、染五郎は「舞踊劇はお芝居と違って体で全てを表現する面白さがあり、ファンタジーの世界なので、役に成り切っていい男を演じたいです。舞踊劇の武器は踊りですべての感情を表現できるところです。たとえば“うれしい”という一言で、5~10分踊ることができます。そういう部分では、いろいろな方々に楽しんでもらえる可能性があるのではないかと思います」と語った。
今後、妹の松たか子との共演もあるかと聞かれると、「その可能性はないとは言えないですね。今回の第1回目で次があるかどうかが決まるので、とにかく結果を出したいです。日本舞踊を知っている方には新しい日本舞踊を見ていただきたいし、まだご存じない方には感覚的に見ていただける作品だと思います。ぜひとも会場に足を運んでいただきたいです」と笑顔を見せた。