佐藤満春が語る日向坂46・松田好花の魅力
――本の中では、師弟関係を結んでいる日向坂46の松田好花さんとの対談も収録されています。サトミツさんは松田さんのラジオ番組「ひなこい presents 日向坂46松田好花の日向坂高校放送部」(ニッポン放送)に構成作家として参加していますが、同番組開始の2年前から企画書を出していたそうですね。
松田さんは僕が企画を出してなくても必ずどこかのタイミングで自分のラジオ番組にたどり着いてたでしょうけども、最初は番組がはじまる2年か2年半くらい前でしょうか。ただ、もちろん松田さんの実力と人柄とラジオ愛で番組がはじまり人気番組になっているわけで、僕の手柄ではまったくないですが、形になってよかったなと思います。本人が楽しそうにしている様子が何よりですし。
僕が数年前に松田さんの番組企画をいち早く出していた理由は、ラジオが好きでラジオで喋りたい人でちゃんとラジオに向いてる人は少しでも早くラジオに縁したほうがいいなと思っていたから。地上波のラジオ番組を持つチャンスに恵まれる人は数少ないので、経験値的に早くいろんな形の番組に関わって慣れることができると、それだけでアドバンテージになると思ってて。番組が形になってしっかり人気番組になるということはラジオをやるべくしてこの世界に入ったと言ってもいいのかなと思ってます。
彼女は真面目で実直で好きなものにまっすぐ向き合う子なので、楽しく続けてくれれば、もともとの自力も相まってもっともっとすごいことになるんじゃないでしょうか。アイドルのことは僕にはわからない世界ではあるのですが、とにかく番組においては松田さん本人が楽しくできる環境が続くように努力したいなと思っています。僕がどうこうということではなく。
これは「オードリーのオールナイトニッポン」においてもそうだし「ナイツ ザ・ラジオショー」においても同じ考えです。パーソナリティが楽しくできる環境を作りたいなと。僕が主語の話ではなく。そのためにもパーソナリティに信頼される作家でいたいと思います。オードリーにもナイツにも松田さんにそんなスタンスです。特に松田さんは本人が何かこうしたいと思った時に言いやすい人でいたいなと強く意識はしています。
“実力と人間力”で成立…日向坂46・松田好花の素養
――松田さんのパーソナリティーぶりについてはいかがでしょうか。
番組開始から1年ちょっと経過しましたが、本当に毎週毎週成長具合がすごいなと。1人でもちゃんとしゃべれて、ゲストが来た時の掛け合いもお見事ですし。僕が何かをしたわけではないのですが、とにかく楽しくやってくれているのが何よりです。
アイドル番組の制作は経験がないのですが、リスナーさんがとにかく聞きたいのは本人の生の声でしょうし、松田さんの素養から考えても特にこちらから手の込んだことはせず「どうぞ、しゃべってください」でいいなと。それで成立してるのは本人の実力と人間力ですよね。そしてその方向性を支持してくれる制作スタッフや「ひなこい」の担当者のおかげでもあります。あとは生放送がいつかできるといいなと思っています。
――話は変わりますが、サトミツさんご自身が仕事する上で大事にしていることがあれば教えてほしいです。
やはり、どんな仕事もチームプレイなので、一つひとつの番組・作品に対して勝手に自分の手柄にしないこと。出演者が楽しい環境を作ること、です。出演者が楽しくないと見てる人(聞いてる人)にもまず伝わらないので。あとは制作の人からも出演者からも何かあった時に言いやすい人でいたいなと思っています。
――最後に読者へのメッセージをお願いします。
ここまで読んでいただきありがとうございます。本に関しては、まず少なからず対談をしてくれた皆さんのお話はすごく面白かったので、そこを入り口にしていただいて、僕という人間のことを、少しでも知っていただければうれしいです。僕自身、人生で色々なことを諦めてきました。世の中の大多数の人は何らかの挫折を味わっているかと思います。皆さんに共感してもらえるポイント、面白がってもらえるポイントはあるのではと思います。絶対に読んでください!とまでは思いませんが、タイミングがあれば是非、よろしくお願いします。
文=こじへい