寺島しのぶが、2月14日に都内で開催された「第77回毎日映画コンクール 表彰式」に登壇し、“田中絹代賞”を受賞した。
寺島しのぶのハードルを上げてくださった
寺島は「伝統と格式のある、映画人が選ぶ本物の授賞式だと私は思っております。そこで『赤目四十八瀧心中未遂』『キャタピラー』と主演女優賞を頂きまして、今回、“田中絹代賞”という名誉ある賞をいただくことが出来ました。歴代の女優さんたちを拝見して身が引き締まる思いでございます。また寺島しのぶのハードルを上げてくださったなと思って、選考の皆さまにはとても感謝しております」と、笑顔で受賞の喜びを語った。
母親の富司純子も同賞を受賞しており、母娘での受賞は初の快挙。母親の存在の大きさについて聞かれると、「もちろんです。京都に行けば最たるもので(笑)」と答えつつ、「でも、“田中絹代賞”を母と娘で取らせていただけて、二人で喜び合いましたし、非常に光栄なことだと思っております」と2代で受賞したことに対する母親とのやりとりも明かした。
春からいいことあったなって
授賞式後、囲み取材に応じた寺島。「このような伝統と格式のある映画の賞で、今回は“田中絹代賞”という大変名誉のある賞をいただきまして、春からいいことあったなって思ってます(笑)」と、改めてうれしさを噛み締め、笑顔を見せた。
そして、「自分自身もそうですし、周りの方たちも私に期待してくださってるのかなって。そう自分に言い聞かせて、これから先も頑張らなきゃいけないなと思いました」と今回の受賞によって注目度の高さと責任感も改めて感じたと明かした。
「第77回毎日映画コンクール」受賞結果
日本映画大賞:「ケイコ 目を澄ませて」(三宅唱監督)
日本映画優秀賞:「夜明けまでバス停で」(高橋伴明監督)
外国映画ベストワン賞:「ベルファスト」(ケネス・ブラナー監督 ※代理登壇:宇都宮誠樹)
男優主演賞:沢田研二「土を喰らう十二カ月」(代理登壇:吉田憲一)
女優主演賞:岸井ゆきの「ケイコ 目を澄ませて」
男優助演賞:窪田正孝「ある男」
女優助演賞:伊東蒼「さがす」
スポニチグランプリ新人賞(男性):番家一路「サバカン SABAKAN」
スポニチグランプル新人賞(女性):嵐莉菜「マイスモールランド」
監督賞:三宅唱「ケイコ 目を澄ませて」
脚本賞:早川千絵「PLAN75」
撮影賞:月永雄太「ケイコ 目を澄ませて」(代理登壇:福嶋更一郎)
美術賞:今村力、新田隆之「死刑にいたる病」
音楽賞:青葉市子「こちらあみ子」
録音賞:川井崇満「ケイコ 目を澄ませて」
アニメーション映画賞:「高野交差点」(伊藤瑞希監督)
大藤信郎賞:「犬王」(湯浅政明監督)
ドキュメンタリー映画賞:「スープとイデオロギー」(ヤン・ヨンヒ監督)
TSUTAYA DISCAS映画ファン賞・日本映画部門:「チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~」(風間太樹監督)
TSUTAYA DISCAS映画ファン賞・外国映画部門:「トップガン マーベリック」(ジョセフ・コシンスキー監督)
田中絹代賞:寺島しのぶ
特別賞:中島貞夫(映画監督)
◆取材・文=田中隆信