俳優の甲斐翔真が、3月7日に東京・シアタークリエで開催されたブロードウェイミュージカル「RENT」の記者会見に登壇。マーク役のWキャスト・花村想太、平間壮一、共にロジャー役を務めるWキャスト・古屋敬多、そしてミミ役のWキャスト・遥海、八木アリサと役どころや、前作からパワーアップしたことなどを語った。
世界的ミュージカルの再演
「RENT」は、1996年の初演以来ブロードウェイで12年4カ月のロングラン、世界40カ国以上で各国語版の上演、2006年には映画化もされたミュージカル。 2020年11・12月の公演は残念ながら志半ばで公演中止を余儀なくされたが、その悔しさを晴らすべく、一部キャストを変更の上、シアタークリエにて7回目の上演が実現した。
映像作品だけでなく、「ロミオとジュリエット」のロミオ役や「エリザベート」のルドルフ役など、近年ミュージカル界でも目覚ましい活躍を見せる甲斐。着実にキャリアを積み重ねて実力派俳優としての歩みを進めている印象だが、「ロジャーという役は僕のミュージカル人生で初めて勝ち取った役で、2年前、2020年の時は体当たりで演じた記憶がある」と振り返る。
初の再演に「とっても難しいなと」
舞台の再演というのは今回が初めてだったそうで、甲斐は「ロジャーというキャラクターはとっても自分の感情に正直で、0か100かという役柄。2020年のロジャーを思い出しながら稽古に臨んだ時、僕は再演が初めてなんですけど、1回やったものをもう1回やる、また料理をするという作業がとっても難しいなと思いながらやっていました」と吐露。
さらに「それを(日本版リステージを手掛ける)アンディ(・セニョールJr.)に相談したところ『その悩んでいる感じを使えばいいじゃん』って言われ、すごくハッとさせられて。そこから突き進むことができました。また、アンディの言葉で『ロジャーはこの作品の悪役だ!』って、新しい視点だなと(笑)。『RENT』の中では重要な役柄なので、自分の感情に正直に演じていけたらなと思います」と苦心の末に、手ごたえをつかんだことを明かした。
2020年は公演半ばで中止となってしまったが、前回と比べてパワーアップしたところについて聞かれると、甲斐は「『Seasons of Love』が、2年前よりすごく響きますね。たった2年ですけどコロナ禍でいろんなことがあって。より1年、1日、1分、1秒とっても大切に感じるというか。『Seasons of Love』というのは年齢、職業、いろんな立場の方々、それぞれの捉え方で聞いていただけると思うので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います」とアピールした。
◆取材・文・撮影=ブルータス・シーダ(STABLENT LLC)
講談社
発売日: 2021/02/01