「第46回 日本アカデミー賞」授賞式が3月10日に開催され、「ケイコ 目を澄ませて」の岸井ゆきのが最優秀主演女優賞に輝いた。聴覚障がいのあるボクサー役ということで3カ月、ボクシングのトレーニングをして、同時に手話も覚えたという岸井の努力と演技が最高の形で報われることとなった。そこで岸井のこれまでのキャリアを振り返ってみたいと思う。
山手線でスカウト
岸井は1992年2月11日に神奈川県で生まれた。高校生の時に山手線の車内でスカウトされ、2009年にドラマ「小公女セイラ」(TBS系)で俳優デビュー。同作はバーネットの名作「小公女」を原作に、舞台を現代の日本に置き換えて制作され、志田未来が主演を務めた。岸井は志田が演じるセイラが通う「ミレニウス女学院」の生徒の一人・桜井ナナを演じた。
その後、2010年放送のドラマ「Q10」(日本テレビ系)、2011年公開の映画「マイ・バック・ページ」や「ランウェイ☆ビート」などに出演。2011年は舞台作品デビューの年でもある。東京・下北沢小劇場楽園で上演された「43」に出演し、翌2012年上演の「墓場、女子高生」では松本まりかと共演している。
自然体でリアルな演技。これは十数年前から岸井が身に付けていた大きな俳優としての大きな武器。2014年に放送された東京ガスのCMで就活生をリアルに演じ、多くの人に存在を印象付けた。
26歳の時に14歳の少女を好演
2016年に大河ドラマ「真田丸」(NHK総合ほか)に出演。真田信繁の側室・たかを演じた。活躍の場をどんどん広げ、2017年公開の映画「おじいちゃん、死んじゃったって。」で映画初主演を務めた。祖父の葬儀をきっかけに、本当の家族としての未来へと踏み出していくという物語で、共感度が高く、岸井の演技もそのリアルさが光っていた。この作品でヨコハマ映画祭の最優秀新人賞を受賞し、大きなターニングポイントとなった。
2018年には連続テレビ小説「まんぷく」(NHK総合ほか)に出演。「真田丸」では“たか”役だったが、くしくも「まんぷく」も“タカ”という役名だったのも何かの縁か。この作品でも多くの視聴者をあっと言わせた。当時26歳だった岸井が演じたのは、なんと14歳の女の子。あどけなさが残りつつも、考え方は大人になりつつある“14歳”という年齢。その絶妙なバランスをしっかりと演技で見せ、これも岸井の代表作の一つとなった。等身大という意味での“リアル”とは違った、年齢は違うけれど役柄としてのリアルを示した、と言えるだろう。
2019年には主演映画「愛がなんだ」が公開され、恋愛依存型の主人公・山田テルコを演じた。岸井と同世代の女性を中心に評判が口コミで広がり、公開された当初は全国72館だったのが、倍以上の約150館にまで拡大したという。
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■岸井ゆきのオフィシャルInstagram
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