とても幸せだったのだろうと思いました
――今川氏真を演じる上で、準備したことはありますか?
槍の稽古と弓の稽古をしました。直接的な準備ではないのですが氏真と糸のお墓に行かせていただきました。お二人のお墓が仲むつまじく並んでいるのを見て、愚将と言われている氏真ですが、とても幸せだったのだろうなと感じました。第6回で苦しむ氏真を思い切り演じられたのも、最終的に救いのある役だと信じているからできたこと。氏真という役にやりがいを感じましたし、何より演じていてとても楽しかったです。
逆算しながら氏真という役を作り上げることができた
――第12回で今川氏真が一旦退場という形になりますが、どのように捉えて演じられましたか?
今回大河ドラマに出演するにあたって、オファーを受けた時にはすでに第12回までの台本が出来ていました。なので、自分の中では第12回から逆算して氏真という役を作り上げることができたと思っています。
今回の大河ドラマでは、望んでいないけれど天命に選ばれどんどん出世していく家康と、望んでいるのに才能と時代に見放されて落ちていく氏真というように、家康と氏真は対極に描かれています。第12回でいよいよその2人の関係に決着がつくのですが、ただのライバルという訳ではなく幼少期の頃から兄弟のように育ち、戦国の世でなければお互い仲良く手を取り合って、同じ目標に向かって邁進できた関係性だったのだろうと思います。切なさを感じると共に戦乱の世を恨むような感情になる回だと思います。