新年早々、多くの映画好き・ドラマ好きがショックを受けた。人気俳優のジェレミー・レナーが事故に遭い30カ所以上も骨折する重傷――「なぜ、どうして」「まさかそんな」と混乱しつつ、世界中のファンが彼の一刻も早い復帰を祈ったはずだ。それから、早くも3カ月。ジェレミーはやっぱり不撓不屈の男であり、奇跡のヒーローであった。復帰間もなく出演したトークショーでは、ジョークを交えながら入院の日々を振り返り、観客から笑いを引き出したとも伝えられる。アクション作品で痛快な動きを繰り広げるのはまだまだ先になるかもしれないが、4月12日からはドキュメンタリー・シリーズ「レナベーション」が配信開始。あの温かな表情や語り口に再び出会うことができるのは掛け値なしにうれしい。
竹野内豊や西島秀俊と同い年
「レナベーション」のオリジナルタイトルは、「Rennervations」。ジェレミーの名字(Last Name)であるRennerと、改装や改築を意味する英単語renovationを合わせた造語だろう。撮影は事故前に行われていたはずだが、今年に入ってから、ジェレミー自身も長期入院で、これまでの俳優生活になかったほどゆっくりと毎日を過ごし、しかも禁煙にも成功したという。すっかり彼自身も「改装」、いや、回復した今、絶妙なタイミングでこのプログラムが配信されるわけである。
1971年生まれなので、日本の俳優でいえば竹野内豊や西島秀俊と同い年。円熟、渋みが加わって、さらに魅力が増していく時期に差しかかった。短大で学んだ後、演技の世界に本格的に入ったが、一躍脚光を浴びたのは31歳の時、実際の殺人者を題材にした映画「ジェフリー・ダーマ―」(2002年)の主役を演じてから。文字にしようと思うだけで気分が悪くなってくるようなダーマーの異常な行為の数々を、若きジェレミーは演じきった。かなり衝撃を受ける内容なので「夜、寝る前に見ない方がいい」とだけ言っておく。
「28週後…」(2007年)でのドイル軍曹役を経て、2009年の「ハート・ロッカー」では主役のジェームズ軍曹を快演。第82回アカデミー賞・主演男優賞をはじめとする各賞にノミネートされ、ベン・アフレックが主演と監督を務めた「ザ・タウン」(2010)年では第83回アカデミー賞・助演男優賞、第68回ゴールデングローブ賞・助演男優賞などにノミネートされた。
MCUのホークアイとしても注目
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品との相性もとても良く、「アベンジャーズ」のクリント・バートン/ホークアイ役は当たり役中の当たり役だろう。2021年11月から配信がスタートしたマーベルドラマ「ホークアイ」(全6回)も手に汗握る、どこか日本人の郷愁に訴えるようなストーリー展開で楽しませてくれた。
そこで「レナベーション」だが、ドキュメンタリーであるということが、当たり前だがこれまでの作品とは大きく違う。内容はベタに言えば、おんぼろの車などの廃棄物を、“チーム・ジェレミー”というべき面々が格好よく、予想もつかないほどポップに再生していくというもの。アメリカに限らず、メキシコやインドなどにも足を延ばしているというから、その土地土地の風景や、そこに住む人とコミュニケーションをとる風景も捉えられていることだろう。
エコロジーやサステナビリティといった課題も盛り込まれることになるだろうし、何よりもアメリカの俳優としてではなく、1人の地球人としてのジェレミーの姿にたっぷり触れることができるのではないか。そんな予感がする。「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」などでおなじみのサム・ウィルソン/ファルコンを演じるアンソニー・マッキーが登場するのもまた、マーベルファンの琴線に触れまくること間違いなし。
「レナベーション」は、4月12日(水)よりディズニープラスで独占配信開始。
◆文=原田和典
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/rennervations/
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