監督&脚本・品川ヒロシコメント「普通ではあり得ない喧嘩シーンも再現しています」
――キャスティング意図についておきかせください。
今回の達也は「ドロップ」の時のただただ暴れるだけの達也ではなくて、喧嘩をすると少年院に戻されてしまう。また暴走族に戻るとお世話になっているおじちゃんとおばちゃんに迷惑がかかるという葛藤があります。倉くんは目の奥に何か得体の知れないモノが潜んでいるんだけどナイーブな部分もあって今回の達也にピッタリだと思った。
あっちゃんは、かわいいルックスでありながら、実は凶暴でとにかく強い。醍醐くんがまさに可愛いルックスなのに、とんでもなく身体能力が高い。難しいアクションもさらりとやってのける。その説得力で決めました。
要は、不良なんだけど、正義感とか友情とかを一番大事にしているキャラクター。その正義感、友情を感じさせてくれるのが水上くん。身体も大きくて筋肉がしっかりとしているので強さに説得力がある。
――撮影を終えられて、倉さん、醍醐さん、水上さんについてお聞かせください。
倉くんは、キレている時は危ない目、傷ついている時はナイーブな目、優しい時は優しい目、目でお芝居をしてくれる。アクションシーンもボロボロになって頑張っていた。
醍醐くんは、運動神経がとにかく凄い。漫画を再現するようなアクションシーンもすぐに出来る。可愛さと狂気の使い分けもバッチリだった。
水上くんは、とにかくストイック。顔が優しすぎるとも思ったけど役作りで漫画そっくりの要になっていたし、筋肉もジムに通ってひと回り大きく仕上げてきていた。水上くんのいるシーンは安心する。
――本作をこれからご覧になる皆様へメッセージをお願いします。
とにかく若いキャストのエネルギーが詰まった作品。ヤンキー映画なんだけど、更生しなければいけない達也の葛藤も描かれています。漫画に登場する普通ではあり得ない喧嘩シーンも再現しています。アクションシーンは必見です。ぜひ劇場でご覧ください。
映画「OUT」あらすじ
暴走族「東京狛江愚連隊」特攻隊長として暴れまくり、かつては「狛江の狂犬」と恐れられた伝説の超不良・井口達也(倉悠貴)が少年院から出所した。達也は、地元から遠く離れた西千葉の叔父叔母に引き取られ、更生を目標に焼肉店「三塁」で働きながらの生活を始める。
勿論、次喧嘩をすれば即アウト。だが出所初日に、リーゼントの巨漢、暴走族「斬人」副総長の安倍要(水上恒司)とタイマンで喧嘩をしてしまう。少年院に戻りたくない達也と、負けたことを知られたくない要は、この喧嘩を秘密にすることで合意、ふたりは交流を深めてゆく。
この出会いから達也の壮絶な更生生活が始まる。総長・丹沢敦司(醍醐虎汰朗)率いる暴走族「斬人」と「爆羅漢」の抗争、そして新しい家族・仲間との出会い、守るべきものができた達也の姿が描かれる。