重要なのは「主要人物だけでやらないこと」
――台本を読んだ時の印象や、実際に撮影をしてみて大変だと感じることはありますか?
これはみんなが考えていることだと思いますが、リアルじゃないものを本当だと思ってもらえるかという部分はものすごく難しいなと。
現場に入ってみて感じたのですが、せりふのある役の人たちだけがしゃべっていると、あの空間は成り立ちません。 (他の乗客役の人たちを)無視していると「そういうドラマなんだな」と思われてしまうので、乗客一人一人の人生があるからこそ、主要人物だけでやらないことが作品にとって重要であると考えています。
配置取りが難しい作品ではあるのですが、どこでお芝居するかによって大きく変わってくると思っているので、ディスカッションさせてもらいながら撮影しています。
――過酷な撮影現場かと思いますが合間時間の過ごし方を教えてください。
雰囲気はとても良い気がします。連日、朝から夜までみんなフルで活動しているので、スタッフさんたちが体調を崩さないか心配です。あとは、みんなでMBTI診断(※性格診断テスト)をしています。ちなみに僕は“絶望的なロマンチスト”でした。
――共演シーンの多い赤楚さんの印象を教えてください。
赤楚くんは、よどみのない真っすぐな印象があって。他の作品からも伝わってくる“好青年感”を感じていたんです。
最初に優斗を演じた時も、その雰囲気が出ていたので「本当にこの人は根っからいい人なのかな」と思っていたのですが、撮影を重ねていく中で(赤楚のMBTI診断の結果である)“陽気なサイコパス”っていうのがなんとなく分かるなと感じるようになって、どんな人なのかより興味が湧いています。
――それでは、上白石さんはいかがですか?
以前朝ドラで共演させてもらった時に(赤楚と)同じくよどみがなく、真っすぐできれいな心を持っているんだろうなと感じたのですが、それは今回も変わらずに出ています。
すごくすてきだなと思ったのが、大変なシーンが続いた日の撮影が深夜を過ぎてしまって、そういう時って終わったら帰る時も疲れが前面に出てしまうものだと思うのですが、一人だけ「よっしゃー!」ってガッツポーズしていたんですよ(笑)。
これだけ疲れていても、まだその明るさを出せるっていうのは現場の雰囲気が変わる一つのアクションだと思うので「これが紗枝にも生きてくるんだろうな」と感じました。
TCエンタテインメント