北村匠海は…ドラケン推し 大人のカッコよさがある
――本作には、圧倒的な強さを持つマイキー、人への優しさを持つドラケン、どんなにぼこぼこにされても仲間や恋人のために立ち上がり続けるタケミチなど、かっこいいキャラクターがたくさん登場しますが、北村さんから見た一番かっこいいキャラクターは誰でしょうか。
北村:マイキーはかっこいいというよりはかわいいやつだなと感じるんですよ。イケメンですし。たしかに吉沢亮は一番イケメンだと思いますけど(笑)。役としてのかっこよさでいうと僕はドラケンが好きですね。
――どういった点が?
北村:懐が深いし器もすごく大きい。奥行きのある人間って年齢を重ねても絶対かっこいいと思うんですけど、その奥行きみたいなものがドラケンにはある。漫画ではタケミチたちが大人になっていくシーンも描かれているんですが、和久井先生の描く彼らってドラケンが一番“オトナ”なんですよ。ドラケンの行動の裏には必ず“誰かのため”という想いがあるし、そういうかっこよさがあるなと思います。
音楽と役者の両立は…「人には絶対にお勧めしません」(笑)
――北村さんがボーカルを務める4人組バンド・DISH//は今年11年目を迎えます。アーティスト活動と俳優業の両立は非常に大変なのではと想像しますが、北村さんにとって俳優業と音楽活動はそれぞれどのような位置づけなのでしょうか。
北村:人には絶対におすすめしません。(笑)。
――それはなぜでしょうか。
北村:大変だからです(笑)。ただ、僕は昔から一つの道を極められる人間ではなくて、小さい頃からいろんなことに興味があったし、いろんなことをやってきたから成り立っているんだと思います。そもそも僕がそういう人間だったのかと思います。この世界に生きてエンターテインメントをやるのが僕の本業だと思っているし、「0」から「1」を生む音楽活動と、台本という「1」が生まれているものをどうやって「100」にしていくかという役者の仕事は僕の中ではバランスが取れているんです。でも最近、結局どっちも演じてるなということをすごく感じていて。
――バンド活動でも演じられている部分がある、と。
北村:ボーカル・北村匠海を演じていますね。ありのままなんですけれど、真ん中に立って言葉を伝える人として自然と演じているなっていう。結局、演じることと歌うことが好きなんだというところにたどり着きました。役者の先輩方から「歌うように芝居をするね」って言われることがあって。そういう独特なリズムがあるらしく。歌うように役者をやって、役者のように音楽をやる。役者としての自分とアーティストとしての自分という両方のバランスが取れているからこそ、いままでやってこれたんだと思います。
取材・文/石橋花菜子
TCエンタテインメント