今でも夢に仮面ライダーを掲げる理由
ーーそれは小さなころからですか?
横田:そうですね。小さなころに、なぜか褒められたらそこで終わりだという思いが僕のなかにあったんです。ものすごくネガティブで、褒められたとしても、“僕はここまでだと思われているから褒められるんだ”って思っていたんですよね。さらに、僕には優秀な姉がいて、僕は不器用だったので褒められることも少なかったんです。そこで、子どもながらに、“僕がお父さんが好きな仮面ライダーになったら、褒めてもらえるのかもしれない”って思ったことがあって。それもあって、いまだに仮面ライダーになることを夢に掲げているんです。
ーー言葉を選ばずに言えば、もし自己肯定感がもっと高かったら、今の咲也には結びつかなかったかもしれない…?
横田:そう思います。今までの僕があるから、咲也を演じられるし、その不器用さ、一生懸命さが愛おしいんです。それに、この役を頂いたときに、「完璧じゃないからいい」と言っていただいたんです。当時はまだまだ経験が浅かったし、なぜ選ばれたのか分からなかったんですけど、それがすごく良かったと知って、このままでいいのかもしれないって思えたんですよね。
ーーキャリアを積んでいくにつれ、頼られることも増えると思うのですが…
横田:すごく不思議な感覚です。なんで僕に聞くんだろうって(笑)。僕は教えられるような立場ではないけれど、自分が経験したことを、役に立つのであれば教えたいって思います。
ーーきっと、そのスタンスに後輩は感謝していると思いますよ。
横田:そうだといいですね。僕自身、後輩だろうが、素敵だなと思うと取り入れようとしちゃうので、後輩だとは思っていないんです。僕自身、後輩だとしても教えてもらうこともありますし、お互いプラスになるような稽古を、お芝居をしていきたいと思うようになりました。
28歳になった今演じたいのはメッセージ性のある役
ーーものすごくマジメなことが伝わってきますが、もし5日間、何もしなくてもいいよと言われたら何をしますか?
横田:えぇ~!次の作品の準備がしたいです…!
ーーでは1か月なら!?
横田:う~ん…。そしたら、実家に帰りたいですね。実家はすごく田舎で、自然の音がすごくキレイなんです。風の音や、カエルの声など…。そういうところで育ったからか、音にすごく敏感なんです。なので、歩く時もなるべく音をたてないように歩くんですよ。
ーーあはは。そんな横田さんは、今後、どんな役を演じてみたいですか?
横田:28歳になったからこそ、難しい役を演じたいですね。今までの自分の経験からは生み出せないような、改めて見たことのない世界を演じるために勉強が広がるような、視野が広がる役を演じてみたいです。その役を通して、見てくれた人たちがいろんなことを考えるような、メッセージ性のある役を演じていけたらいいなと思っています。
撮影=岡本武志/取材・文=吉田可奈/ヘアメイク=上野彩紗/スタイリスト=齋藤良介
https://mankai-stage.jp/act2/spring2023/
■ザテレビジョンSQUARE
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