浜辺美波の細かい動作や表情の変化…
「見たことのない世界に飛び込んでみたい」というドキドキやワクワクは、そのブレーキを取り払うのに十分なエネルギーを持っている。寿恵子も、高藤にふるまわれた紅茶に「赤い色をしています」と笑顔を浮かべ、興味津々。クララのダイナミックなダンスには、時おりハッと息をのみ「ふふふっ」と笑い声を立てながら、食い入るように見入っていた。
寿恵子を演じる浜辺のそうした細かい動作や表情の変化ひとつひとつが、寿恵子のドキドキとワクワクをダイレクトに伝えている。寿恵子という女性は、未知のものへの興味が人一倍強い、好奇心と冒険心あふれるヒロインなのだ。植物学への探求心が人一倍の万太郎にも引けを取らないほどに。
読本好き&オタク設定も“らしさ”に一役
初登場シーンから折に触れて描かれてきた寿恵子の“読本好き”設定も、そんな寿恵子の人となりを知れば納得だ。幼い頃、父に読んでもらう冒険譚で主人公と一緒にドキドキワクワクを体験したことが、好奇心旺盛で勇気にあふれた寿恵子らしさの源になっているのだろう。さらに、興味を持ったことに一直線で突き進む“オタク気質”も、未知のものに勇気をもって立ち向かう時には大きな後押しになる。
6月1日(木)に放送される第43・44回では、鹿鳴館の踊り子見習いとして歩き始めた寿恵子が、植物学の雑誌を創刊するため策をめぐらす万太郎と意外な場所でばったり再会するエピソードが描かれる。
それまでの日々から一歩踏み出して未知の世界に飛び込んだ寿恵子は、ここからどう人生を切り開いていくのか。浜辺の気品あふれるドレス姿もあわせ、「らんまん」中盤の大きな見どころとなりそうだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部