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進化する「アバター」ワールド“史上屈指の映像美”で描かれる生命力あふれた動物や家族愛

2023/06/19 07:10

映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」がディズニープラスで配信中
映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」がディズニープラスで配信中(C) 2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

ジェームズ・キャメロン監督が手掛けた映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」が6月7日より配信開始した。日本では国内興行収入42億9676万円、動員数236万2731人を記録し、全世界では興行収入が22億9370万7227ドルに達するなど、大ヒットを記録した同作。歴代興行収入でもキャメロン監督の代表作「タイタニック」を抜いて3位に。「第95回アカデミー賞」では作品賞を含む主要4部門にノミネートされ、「視覚効果賞」を受賞。その奥行きと深みのある映像の美しさは、まさしくその賞に値するものだった。そんな映画史に名を刻む「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」の魅力について検証してみたいと思う。(以下、一部ネタバレを含みます)

前作から13年の時を経て公開


前作「アバター」が公開されたのは2009年12月。「ターミネーター」シリーズや「エイリアン2」「タイタニック」といったヒット作を手掛けるキャメロン監督が、思い描いていた構想を表現できる映像技術が出来るまでおよそ10年寝かせたというだけあって、それまでの映画作品とは一線を画した、全く新しい映像作品を作り上げることに成功した。映像技術は常に進化し続けているが、「アバター」の公開によってその進化がより加速することとなった。

「アバター」は、アルファ・ケンタウリ系惑星ポリフェマス最大の衛星“パンドラ”を舞台にした物語。“アンオブタニウム”という希少鉱物がこの星の地下に多く眠っているということで、地球のエネルギー問題を解決するために採取しようとするが、そこにはナヴィ族という先住民族が住んでいて、どんな条件を出しても頑として譲らず、手を出せない状況となっていた。

そこでスタートしたのが“アバター計画”。地球人とナヴィのDNAを掛け合わせた人造生命体を作り、神経を接続して操作する人間の意識を憑依させた“アバター”を送り込み、ナヴィ族と接触を図るというものだった。言うなれば、おなじみの“青いアバター”とリンクして遠隔操作をするという方法。

映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」より
映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」より(C) 2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

元海兵隊員がナヴィ族の考えに共鳴


前作の見どころは、元海兵隊員のジェイク・サリー(サム・ワーシントン)が亡くなった兄の代わりにアバターを使ってナヴィ族と接触を図り、ナヴィの狩猟部族の族長の娘ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と出会い、ナヴィ族の生き方を教わり、死生観を含めた自然への関わりや経緯に感銘し、考えがどんどん変化していくところを挙げることができる。

グレース・オーガスティン博士(シガニー・ウィーバー)や人類学者のノーム・スペルマン(ジョエル・デビッド・ムーア)といったナヴィと友好的に交渉しようとする“味方”もいるが、元海兵隊の大佐マイルズ・クオリッチ(スティーブン・ラング)のように力づくでアンオブタニウムを奪おうとする者もいて、兵器などを多く所有し、腕力に勝るクオリッチ側の方が体勢的にも有利な状況だ。ジェイクも最初はクオリッチに報告することを命じられていて、内通者(スパイ)的なこともさせられていたが、途中から改心。そういう経緯もあって、クオリッチから執拗に攻撃される羽目になってしまうわけだが。

森の中の表現がとても美しく、リアル。サイやクロヒョウに似た凶暴な動物や、巨大な翼竜トゥルークなども生命力が感じられるほどで、作品への没入感は桁違い。そんな中で、地球人とナヴィの信頼関係と絆の構築をジェイクとネイティリを通して見せていくストーリーも秀逸。物語として、映像作品として見ごたえのあるものとなった。

映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」より
映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」より(C) 2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

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