モデルの道を諦め絶望
イ・シニョンは、小1の時、学校の先生が「日本に美術留学をさせなさい」と両親に電話してくるほど絵が上手かったそう。「考えと表現が創意的、と言われたんですが、僕はディテールに集中するタイプなので、線画は本当に上手だけど色を付けると台無しになったりして(笑)、美術が自分の道ではないことを早く悟った」との事。
子供の頃からの夢は、服が大好きでモデルになる事だった。部屋にモデルの写真を貼り、ファッションショーの映像も毎日見るほどで、モデル事務所でウォーキングを死ぬ気で学んでいたが、中3の時、身長が180cmでストップ。「ランウェイは難しいかもしれない」と言われて絶望したそう。そんな時、演技を勧められ、高3の時に先生の勧誘で演技サークルに入り、演技の楽しさを知って俳優の道へ。
2019年「愛の不時着」に出演
デビューは2018年のウェブドラマ「ひとくちだけ」。容姿に自信が無いカノジョを心から愛して大切にする彼氏役で、視聴者を胸キュンさせた。そして2019年に「愛の不時着」に出演。
このドラマでイケメン兵士役だったが、学生時代、イケメンと言われた事は無かったんだとか。「中学生の時、瓶底メガネで、かけると目が小さくなるんですよ。高校生になってコンタクトにしたけど、学校では相変わらず瓶底メガネだったんで…」と語り、男子校だった為、女子にも縁が無かったそうだ。
「愛の不時着」でブレイク後、地上波ドラマ「契約友情」で初の主役に。書いた詩がきっかけで不良と契約友情を結ぶ事になる「忍者」と呼ばれる存在感の無い高校生・チャノン役を好演し、「2020 KBS演技大賞」で「連作単幕劇賞」を受賞した。
「俳優としての僕は、種をまいたぐらい」
「演じる役に集中できない時、そのキャラクターに申し訳なくなる」と言う彼は、休みの日も台本を手放さないようだ。「自分に与えられたこのセリフを、どうやったらもっとリアルに表現できるのか分析します。“こうやって、ああやって…”と、その役柄の可能性を想像しながら遊んでます」と、仕事と休みの境が無い方がラクだと語っている。でも、本当に何もしたくない時はゲームをしてるそう。また、最近は映画「リバウンド」出演をきっかけに面白さを知ったバスケットボールをして気分転換する事も多いそう。
「俳優としての僕を植物に例えると、種をまいたぐらい。新芽が出るには、まだまだです。それほど僕は何も知りません。演技を何も知らない今でもこんなに面白いのに、歳をとって、もっといろいろ知ったら、どれだけ面白くなるんだろう…そんな事を想像すると、演技をもっとしたくなります」と、演技に夢中のイ・シニョン。
「情熱的な俳優、飾らずに固有の魅力がある俳優、と言われたいです。また、正確な色を見せたいです」と言う彼のロールモデルは、ク・ギョファンやソン・ソック。そして、ハン・ソッキュのような「時間が経つほどに素敵な俳優になりたい」との事。「目標を明確にすればするほど、より弾力を得て前に進むことができると信じています」と、努力を続けるイ・シニョンがこれからどんな色を見せてくれるのか、楽しみだ。
◆文=鳥居美保/構成=ザテレビジョンドラマ部
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/dr-romantic
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