コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、大好きな絵を通して出会う正反対な2人を描いた漫画『君の世界が見たい』をピックアップ。
作者である漫画家の水あさとさんが、2023月5月1日に本作をTwitterに投稿したところ、6000件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では水あさとさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
自分の大好きな絵を初めて認めてくれた人は誰…？
世の中には光と影、2種類の人間が存在する。そんな中、いわゆる"影の者"に分類される少年・コウタは特に学校で目立つこともなく平凡な日々を過ごしていた。しかし、コウタには1つだけ熱中できることがあったのだ。それが自分の世界をまっすぐ表現できる「マンガ」だ。いつか誰かに反応・評価されたいという気持ちを心に秘めながらも1人こっそりとマンガを描いていたのだった。
ある日、教室の机に落書きを残したままにしていると、そこには見慣れない絵とともに「かっこいいね！」という文字が書かれていた。反応が欲しくて書いているわけではないと自分に言い聞かせながらも、その絵に新たな返事を残したコウタ。
ここから誰か分からない相手との絵を通じたやりとりが始まっていくのだった――。
自分の描いたマンガに反応されることの喜びを徐々に知っていく様子が描かれた本作。ネット上では、「エモすぎて語彙力喪失した」「最高過ぎる」「続きはどこ…？」「青春やなあ」などのコメントが寄せられている。
「描いていて自分で飽きないようなキャラを描きたい」作者・水あさとさんへのインタビュー
――『君の世界が見たい』を創作したきっかけや理由についてお聞かせください。
まず、最近完結しました連載「阿波連さんははかれない」は単話ごとにストーリーのつながりの薄い話でした。それに対してストーリーがつながっていく、つながっていきそうな話を描きたいと連載中から考えておりまして、その結果このようなストーリーになりました。
描けるかはわかりませんがこれから先のストーリーも考えております。
――本作では、友達も多く器用で目立つ存在のハルコ、特に目立たず漫画ばかり描いているコウタの2人が光と陰という対象的な存在として描かれていますが、それぞれのキャラクターや設定などはどのようにして生まれたのでしょうか？
主人公の方からまず考えました。自分にもあまり人に見せずに漫画や絵を描いていた時期がありまして、その部分を投影してコウタを作りました。それに対称的なキャラとしてハルコを考えました。こちらも内面的な部分で自分が少なからず投影されております。
――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあればお聞かせください。
シーンやセリフではないのですが、コウタが描いている漫画が児童書寄りの絵柄で、そこが気に入っております。コウタは自分は絵が下手だと思っているのですが、見る通り実はとてもうまいのです。下手だと思ってる理由は、自分の絵は子供のころから読んでいる児童向けコミック系の絵柄から脱却できていないことを自覚していて、ハルコのような若者向けのような絵柄へのあこがれの反動で自分の絵が下手だと思ってしまっているのです。
あと最近のインターネットは絵がうますぎるので、それが追い打ちになっているかもしれません。絵がうまいのに下手だと思っていることの理由付けがちゃんとできたなと思っております。
――水あさとさんは本作以外にも『阿波連さんははかれない』など多くのラブコメを手掛けていますが、創作全般において意識していることや気を付けていることがあればお聞かせください。
描いていて自分で飽きないようなキャラを描きたいなと思っております。そのために自分が好きになるキャラを描いていきたいと思っております。
――今後の展望やこれから書きたい漫画のテーマなどがあればお聞かせください。
先ほども触れましたが、話ごとにストーリーがつながっていく話を描きたいなと思っております。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
応援や感想、メッセージなどとても励みになっております。皆様を楽しませられるようこれからも描いていきますのでどうかよろしくお願いいたします。
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
