高速の“ステップワーク”でシーンのトップを牽引し、多くのファンを魅了し続けている、SHUHO、Takky、Shin、shu-hei、toshiya、SuuからなるハウスダンスチームTOKYO FOOTWORKZ。チームの中心的存在でもあるSHUHOに、チームのこと、そして自身のことをインタビューした。
――TOKYO FOOTWORKZはどうやって結成されたチーム?
「チームを結成しようと思った当時、ダンスシーンのなかでもバトルのシーンが大きくなってきて、ソロでも有名になれる時代になった反面、ハウスのチームが少なくなっていたんです。自分は2008年まで5年半ぐらいNYに住んでたんですけど、日本に帰ってきてからハウスシーンのことを考えたときに、チームが少ないとシーンが盛り上がらないという結論にたどり着いて、そこから別のチームで活動してたメンバーに声をかけて結成しました。チーム名に“TOKYO”を入れたのもそうなんですけど、自分的には東京っぽいチームを作りたいという思いがあって。“東京から世界に発信できるような新しいスタイルを追求したチーム”というのがコンセプトとしてありました。」
――“東京っぽい”というのは具体的には?
「僕らが考える格好良い東京っていうのは全てが新しいコンセプトというか、「こういうファッションでは今まで踊らなかったよね」みたいな、ファッション的にも音楽的にも新しいイメージ。そういう“東京”を意識してやりたかったんです。」
――皆さんのダンスは格好良いなかにもユーモアが散りばめられたりしてます。
「メンバーにそういう子が多いんですよ。あとは、ハウスのダンスってどちらかと言うと地味な感じで、これまではエンターテイメント性が高くなかったんです。そこがハウスの格好良さでもあったんですけど、自分らは足さばきだったりスピードだったり、一般の人が見てもわかりやすいものをやろうと。チーム名に“FOOTWORK”という言葉を入れたのも、チーム名を見たときに一発で何を伝えようとしてるか分かるようにしたかったからなんです。」
――皆さん楽しそうにパフォーマンスしますよね。ソロパートの間も他のメンバーが後ろでいろいろ動いてたり。
「そうですね。みんなすごく仲が良いので、自然とああなっていった感じですね。元々はみんなバラバラで顔見知り程度だったんですけど、そこから積み重ねていくことで仲良くなっていきました。」
全員に共通してるのは、みんなこのカルチャーが好き
――メンバーを一人ひとり紹介して頂けますか?
「元々所属していたチームごとに分けて説明すると……まず、CAZAというチームでやってたTakkyとShin。Takkyは僕が他の仕事でいない時にチームをまとめてくれる存在で、ハウスDJをやっててトラックも作れるので、彼の曲で踊ることもあります。あと、整体師としても活躍していて、僕が通ってる整骨院で働いてます(笑)。もう一人のShinは慶応大卒で頭が良くて、ダンスの構成だったり、音の編集をやってくれたりします。次に、conscienciaというチームでやってたshu-heiとtoshiya。CAZAは僕と同じぐらいの世代なんですけど、彼らはひと世代下です。shu-heiはハウスのプロダンサーとしても、バトルシーンでも活躍してるメンバー。toshiyaはチームのムードメイカーで、イベントのMCをやったりしてるんですけど、会社員との二足のわらじでチームをやってます。最後に、EartHというチームにいたSuu。彼はEartHのリーダーで、shinと同じように彼も早稲田大卒のエリートで就職もしてますが、ダンスの構成だったり、いろんな面でチームに貢献してくれてます。」
――各メンバー、TOKYO FOOTWARKZ以外での活動も多いとなると、チームとしては時間の調整が大変そうですね。
「みんなで遊びに行ったりすることはほぼほぼないですね。それぐらいみんな忙しくて。みんなで一緒に行動するのは遠征に行く時とかショーに呼ばれる時ぐらいです。」
――あの空気感はどうやって作り上げるんですか?
「全員に共通してるのは、みんなこのカルチャーが、ハウスが、ものすごく好きなんですね。そもそもがみんな音楽好きだしダンスも好きなので、普段は会わないけど、最近気になってる音楽や映像はLINEとかで共有してますね。「この曲かっこいいよね」とか「この映像いいよね」とか。」
SHUHOが語る自身のルーツ&10代へメッセージ
――SHUHOさんはいつからダンスを始めたんですか?
「僕はすごく遅くて、19歳からです。その当時は早い子だと中学生ぐらいから踊り始めてたんですけど、僕がラッキーだったのはダンスを始めてすぐぐらいに、日本のハウスシーンを作り上げてきた方々と一緒に行動できるようになったんです。それがかなり大きかったですね。」
――その年齢でダンスを始めることに焦りはありませんでしたか?
「「いち早く学ばないと」っていうのはありましたね。でも、学ぶということに関しては環境が良かったので、他の人たちよりも情報は持ってました。それも大きかったです。なので、いかにそういう人たちと出会えるかっていうのはかなり重要だと思います。」
――では最後に、10代のダンサーへアドバイスをお願いします。
「今の自分にとって最終的な財産になってるのは、技術的なものではなくて、知識と経験が一番大きいです。NYのダンサーたちから教えてもらったダンスの歴史だったり、カルチャーに対する知識だったり。知識があると、同じ映像を見たとしてもそこから得られる情報量が全然違うし、感性の部分でもセンスというのは習うものでもないので、本物の人たちと一緒にいることで自然とそういう感覚をもらえるんですよ。そういったものを活かしていろんな経験をしていくということが大きいと思います。焦って有名になりたがる子もいますけど、近道はないし、最終的には本物しか残らない世界なので、しっかり本物を目指して、どんどんチャレンジして欲しいですね。それは年取ってからではできないことだと思うので。」
(撮影●田村与 取材・文●阿刀“DA”大志)
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