
広瀬アリスが、トム・クルーズ主演映画「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」(7月21日[金]日本公開)の日本語吹替版で、前作「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」に引き続き、ホワイト・ウィドウ(ヴァネッサ・カービー)の声を担当。同じ役を5年ぶりに演じた広瀬に変化を聞くと、アフレコ現場では必死だったというが、この5年で得たものが自分を成長させていたことに気づいたと率直に語った。(※この記事には、作品のネタバレが含まれています)
ホワイト・ウィドウは裏社会の人間だけどやっぱりかっこいい

――前作に引き続き、5年ぶりにホワイト・ウィドウの声を担当した感想を教えてください。
声のお仕事で続投は初めてだったので、まずは本当にありがたいなって思いました。5年ぶりに、ホワイト・ウィドウを演じみて、彼女は裏社会の人間で“善”か“悪”かといえば“悪”の人間なんですが、やっぱりかっこいい女性だなって思いました。
彼女のその魅力は何なんだろう…って考えてみたんですが、多分、感情に一切振り回されず、徹底的に皮肉めいたことを言ったり、淡々としていてクールに振る舞ったりする姿が1本筋が通っているからかなって思いながら声を演じていました。
――5年前にアフレコをしたときと今回では、何か変化はありましたか。
私が初めてホワイト・ウィドウの声を演じたときは23歳で、役を演じているヴァネッサ・カービーさんは6歳ぐらい上なので、当時スタッフさんから「大人っぽく」とかなり言われて、頑張ったのを覚えています。でも、やっぱり声や表現の仕方はすごく幼かった気がして、ちょっと不完全燃焼な気持ちがありました。
でもこの5年のうちに、ドラマや映画でいろいろな役を演じて経験を積み重ねてこれたので、5年前よりはホワイト・ウィドウの声を演じ切れているんじゃないかと思っています。アフレコ収録時間も前回に比べれば早く終えることができましたし(笑)。現場のスタッフさんにも「大人になりましたね」って言われてうれしかったです。
――今回、ホワイト・ウィドウ自身と、グレースがホワイト・ウィドウに化け、“声は同じだけど人が違う”というシーンがありましたが、どんな演じ分けをしましたか。
1人2役をやるような気持ちで、現場に入りました。本当にコンマ何秒の世界だと思うのですが、セリフのテンポや吐息のひとつひとつの音の違いに気を配りました。ホワイト・ウィドウは常に落ち着いていてすっとした感じで、グレースはとにかく焦りだったり困惑した、何かに追われているようなハラハラドキドキ感を声に反映させるように演じてみました。

ホワイト・ウィドウの声が広瀬だって分からないぐらいがちょうどいいかな

――今まで広瀬さんが演じてきた役所の中では、ホワイト・ウィドウのような役はなかったと思いますが、リアルにご自身で演じてみたいと思いましたか。
確かに私は明るい役を演じることが多いですね。多分、朝ドラ「わろてんか」(2017年、NHK)で女芸人の役をやらせてもらって、コメディーのイメージがついたのだと思います。今でも共演者の方が「あの朝ドラは本当に素晴らしかった」と言ってくださるので、朝ドラは自分の転機だとも思っています。
ホワイト・ウィドウのようにミステリアスだったり、悪の組織の一員というような役を演じたことはないので、すごくやってみたいなと思います。あと本作のトム・クルーズさんみたいなアクションは難しいけど、ワイヤーを使ったり、ケンカしたり、銃を使ったりするようなアクションも全然問題なくやってみたいとも思っています。
――本作は、アブダビ、イタリア、ノルウェーなど世界各地で迫力満点のシーンが繰り広げられていますが、広瀬さんが行ってみたいな、自分もここで撮影してみたいなと思った場所はありましたか。
作品の中でカーチェイスが行われたイタリアはすごく興味があります。今まで海外にはあまり興味なかったんですが、制限されると人って急に行きたくなるものですね。ネットで見てたときに、遠くから見ると街全体がアートチックな風景とか、時間がゆったり流れているような感じとかにすごく惹かれています。そんなイタリアの空気感に包まれながら作品を撮ったら、全然違うんだろうなぁ〜って思います。まっ、ちゃんと仕事になるのかなって思ったりもしますけど(笑)。
――広瀬さんにとって「ミッション:インポッシブル」の声優のお仕事は、どんな位置付けですか。
チャンレンジです。映画やドラマでは、顔や身体も使って表現していて、そこに頼っている部分もあるので、声だけで全てを表現する大変さは、やればやるほど痛感します。今回は特に、他のキャストさんはプロの声優さんが担当されている中だったので、大丈夫かなと不安やプレッシャーは大きかったです。
でも逆にいえば、声だけでキャラクターになりきれる。そこまでいくには、私にはまだまだ経験が足りないかもしれないけど、続投させていただいたので必死でした。前作を見ていただいた方には成長した姿を、初めて見ていただいた方には、もう広瀬だって分からないぐらいがちょうどいいかなって思っています。

https://missionimpossible.jp
【監督・脚本】クリストファー・マッカリー(「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」、「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」)
【出演】トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴァネッサ・カービー、イーサイ・モラレス、ポム・クレメンティエフ、ヘンリー・ツェニー
【大ヒット上映中】
【原題】Mission: Impossible – DEAD RECKONING PART ONE
【配給】東和ピクチャーズ
(C)2023 PARAMOUNT PICTURES.
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