岡田准一「僕と松本(潤)くんだからこそ生み出せるキャラクターにしたい」織田信長を演じる思いを明かす<どうする家康>
松本潤が主演を務める大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第28回「本能寺の変」が、7月23日(日)に放送される。同ドラマで、織田信長を演じる岡田准一からコメントが届いた。
愛があって本当はシンプルでピュアな人
――今作の信長をどのような人物として捉えていますか?
信長は、愛情を伝えるのが苦手な人、いち早く結果を求める人だと思っています。信長なりに周囲に愛情をかけているけれど、厳しく接するからそれが相手には伝わりにくい。競争させて人を育てるのは得意だけれど、愛情は伝わっていないので、ただ恐怖で人を従えているように見えてしまうし、競い合わせる中で反発する人も生み出してしまうのだと思います。
史実上の信長も、浅井長政などかわいがってきた人たちから度々裏切られています。周りに愛情をかけているつもりなのに、気付かれない上に裏切られる。そして何度も裏切りに合っているのに心の底では裏切りに慣れていない…不器用で分かりにくいけれど、愛があって本当はシンプルでピュアな人なのかなと思っています。
自分の中の信長の感情に従おうと思ったのを覚えています
信長は皆さんから愛されている戦国武将の一人で、視聴者の皆さんもそれぞれの信長像をお持ちだろうと思います。今作なりの信長をつくり上げるのは自分にとって挑戦でしたが、各登場人物が家康に対してどんな役割を担うかが描かれている脚本だったので、それをいかに全うするかということと、実際も先輩後輩の関係性である僕と松本くんだからこそ生み出せるキャラクターにしたいという思いで務めてきました。
意識してきたのは、家康に対してプレッシャーを与え続け、彼にとっての大いなる壁でいること。特に、プレッシャーを与えるだけでなく、その裏にある家康への期待や愛を見え隠れさせ、本当は心を許しているのでは…と思わせる何かを出したいというのは考えてきました。ただ、今作は家康をメインにした物語なので、映像上で信長の生涯を見せられる訳ではない。少ないシーンの中でインパクトを残し、作品における役割を全うするという意味では、家康に対する思いのぶつけ方も、重めにやらないとさらりと流れていってしまうなと危惧していました。
恐怖の対象でもあり、兄のような存在でもあり、時には強く、時には厳しく、時には怖く、時には優しく。振り返ってやり過ぎたかなと反省していることもありますが、家康への愛は重めですよね(笑)。それが特に現れていたのが第14回「金ヶ崎でどうする!」で、家康から「お前の心のうちなどわかるものか」と言われて信長が涙を流すシーン。正直あのシーンで泣くつもりはなかったのですが、演じてみたら勝手に涙が流れてきたので、それはそれでありなのかなと、自分の中の信長の感情に従おうと思ったのを覚えています。