山田孝之「任務に向き合う半蔵の姿勢は変わらない」自身が演じる役柄の思いを明かす<どうする家康>
松本潤が主演を務める大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第29回「伊賀を越えろ!」が、7月30日に放送された。同ドラマで、服部半蔵を演じる山田孝之からコメントが届いた。
伊賀越えをするにあたり「プレッシャーは大きかっただろうと思います」
――伊賀越えの任務にあたる半蔵の思いをお聞かせください。
伊賀越えも、過去に経験してきたさまざまな任務も、任務に向き合う半蔵の姿勢は変わらないと思います。規模の差はあれど、いずれも手を抜いてきた訳ではないですし、危険を伴う任務であることも変わらないので。 ただ、今回は殿(家康)が同行していたので、その分プレッシャーは大きかっただろうと思います。
結果的に、半蔵の判断は全て裏目に出てしまいましたが…半蔵なりにさまざまなパターンを想定して最善の策をとってきたつもりだったと。けれど、いつも以上に考えねばならないことが多い状況で、判断力が著しく低下していたのかなと思います。そして、手を差し伸べてくれる人のことも敵だと思い込んでしまい、自分だけを信じた結果でもあったのかなと。目の前のことでいっぱいになって余裕を無くし、周りを信じないとこういうことになりますよ、というのは、すごいメッセージ性だなと思いながら演じていました。
気持ち的に辛いシーンが続いた印象です
――百地に捉えられてしまったシーンについて教えてください。
自分たちが牢屋に閉じ込められて手出しできない状態で、殿の首に刀を当てられるという絶体絶命の状況でした。「もう終わりだ…」と思ってしまいそうになるけれど、もちろん終わりにはしたくないから、その状況で自分がどう動くべきか、0.1%の望みだったとしても殿を救い出す術を必死に考えていただろうと思います。
リハーサルの際、演出の方からは「殿が牢屋から連れ出される時、武器を持った敵が牢屋に入ってくるのを防ぐために、入口へ行って欲しい」と言われましたが、僕は全く逆だと思いました。まず門を自分では開けることができない中、敵が開けてくれて、しかも武器を持っている敵が一人でも入って来てくれたらチャンスだなと。むしろそれは招き入れるべきだろうと思いました。敵が入ってきた上でどう対応するかということなど色々と考えながら、演出の方とも話をしました。
でもあの状況は、自分の命が危うくなるよりも、もっと苦しい状況のように感じました。自分は忍びのような働きをしてきたから、そもそも死は覚悟している。考えていることとすれば、殿から受けた任務はやり遂げたい、服部党も含め、周りの人の命も出来るだけ守りたいということくらいだったのかなと。でも今回は、殿が目の前で殺されてしまうかもしれない、全てが終わってしまうのではないかという怖さはありました。服部党が皆して「わしが家康じゃ」と言い出すところは、ドラマで見るとコメディシーンに見えるかもしれないけれど、自分たちは殿を救うために全力で、とにかく必死でした。 第24回あたりから精神的にはりつめていて、気持ち的に辛いシーンが続いた印象です。