古沢さんの照準の当て方は面白いなと思いました
――古沢良太さんの脚本の印象や魅力を教えてください。
今回の「どうする家康」は大河ドラマらしくないなと感じましたし、とても面白いなと思って読みました。家康がこういう形で表現されるということは今までなかったことでしょうし、こういう家康の描き方もあるのだと視聴者の皆さんに伝わればいいなと思っています。古沢さんの照準の当て方は面白いなと思いました。
――明智光秀を演じるにあたって、監督からオーダーなどはありましたか?
大きな注文はなかったです。俳優に任せてくれているということなのかもしれません。今回の明智は嫌味っぽく描かれていますが、クランクインしたばかりの頃、今作で描かれる明智のキャラクターについての認識を監督との間でお互い確認し合うような会話はありました。そこに自分の色づけをしていきましたが、本筋としては監督の思う方向性で表現してきたと思います。
(松本潤さんの表情を見て)「良い表情をしているなぁ」と感じました
――明智光秀が謀反を起こそうと決意を固めたのは、どのタイミングだったと解釈していますか?
「ここだ」というのは画面に映し出されていないところかもしれません。画面で捉えている部分で言うと、第27回で饗応役をやった時に、家康の言動により皆の前で恥をかかされたことがきっかけになったのではないかと思います。
――饗応役のシーンは演じられていかがでしたか?
とても緊張感のあるシーンだったと思います。明智が皆の前で恥をかくわけで、恥ずかしいものの裏返しが人を恨んでいくことにつながり、裏切ることにつながることもあるかもしれないと演じていて感じました。
――そのシーンについて、岡田准一さんや松本潤さんと演じた感想をお聞かせください。
岡田さんは、擬闘の時に私の殴られるタイミングが少し違っていると指摘してくださって、そういう遠慮せずにちゃんと伝えてくださるところが岡田さんの優れた部分だと思いました。松本さんは、明智が家康の近くに行って器をつかんで駆けだすシーンの時に、「何も知らない」というような、ふてぶてしい表情をされていて「良い表情をしているなぁ」と感じました。