コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、気持ちが別ベクトルを向いている叔父と姪のむずがゆい関係を描いた漫画『女の子が親戚のおっさんにやきもきしてる話』をピックアップ。
作者である小野ユーレイさんが、2023月6月5日に本作をTwitterに投稿したところ、4.8万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では小野ユーレイさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
気になっているおじさんに図星な発言をされ「ドキッ」
ある日、小学生の佳那子が父のタバコを持ちだして火をつけようとしていると、ある人にスッと取り上げられてしまう。タバコを取り上げた人こそが佳那子の気になる人であり父の弟でもある政巳おじさんだったのだ。
政巳おじさんは、佳那子に構ってくれる数少ない大人の一人で、小さい頃に知らない人に連れていかれたところを助けてもらった大切な存在でもある。自分のために身を削って助けてくれた政巳おじさんに他の人とは違う感情を抱いていた佳那子は、子どもながらに他の大人にとられるのではないかという焦りを感じていた。最近父のタバコをよく持ちだすようになっていたのも早く大人になりたい気持ちが先走った結果だったようだ。
すると佳那子の最近の様子を心配した政巳おじさんは、早く大人になりたい理由を当て始める。「お前好きな男ができただろ しかも(多分)年上の」といきなり言い出された佳那子は"ドキッ"として何も言えなくなる。しかし、これには政巳おじさんにも思うところがあったようで…。
早く政巳おじさんに近づきたい佳那子と、その理由に自分が関わっているとはまったく気づいていない鈍感なおじさんとのすれ違いを描いた本作。ネット上では、「この鈍感野郎がぁぁぁ！」「にやけ止まらない」「イケおじ最高…」「あっ、好き…」「姪っ子ってかわいいよね」などのコメントとともに、おじさんの声を演じてほしい声優の名前が多数挙がるなど大きな反響が寄せられている。
おじさんの魅力はズバリ「経験値」の多さ 作者・小野ユーレイさんが語る創作の背景やこだわり
――『女の子が親戚のおっさんにやきもきしてる話』を創作しようと思ったきっかけや理由についてお聞かせください。
3年前にKADOKAWAヤングエース編集部さんご発行の「おじさんと少女」がテーマのアンソロジーへの寄稿として描いた漫画でした。元々おじさんと女の子という組み合わせが好きなので、楽しんで描かせて頂きました。
――本作では、おじさんが醸し出す渋い雰囲気と少女への過保護さのギャップが印象的ですが、描く上でこだわった点や意識した点があればお聞かせください。
小さな姪に対しておじさんが過保護ではあるものの、彼女への接し方は大人のままである所は意識して描きました。また少女の態度に「それは恋だ」と年の功目線で教えているのに、実は灯台下暗しで鈍感だった所に親近感を感じて頂けたら嬉しいと思っていましたが、「お前だよ！」という感想をたくさん頂いて楽しかったです(笑)
――本作の中で小野ユーレイさんが特に気に入っているシーンがあれば、理由とともにお聞かせください。
「あっという間に女になった」と言われた佳那子の顔と、自分の発言が図星だった事に、後に一人でやきもきしている政己おじさんの顔です(笑)
想いのベクトルが同じ方向を向いていない関係性が好きなので叔父と姪という設定にして描きましたが、違う意味で両想いだった所は描いていて楽しかったです。
――小野ユーレイさんは本作以外にもイカしたおじさんが登場する作品を多く描かれているようにお見受けしますが、ズバリ「イケおじ」の魅力についてお聞かせください。
おじさんの魅力はたくさんあると思うのですが、個人的には「経験値」の多さがあるように思います。濃いも薄いも、色んな人と出会い別れてきた過去や経験をしてきたおっさんは雰囲気が程よく錆びているので、ぼんやり煙草を吹かしている姿だけでも何となく意味深に見えてきませんか(笑)
――今後の展望や目標をお教えください。
普段は落書きを中心に活動しておりまして、これまでもこれからも、ほぼおじさんを中心に色々描いていると思いますが、暫くお休みしていた漫画の活動も再開したので、こちらでも色々と描いていきたいと思っています。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつもお付き合い頂けている方々には本当に感謝しかありません。のんびりとおじさんばかり描いている絵描きですが、今後もまったりお付き合い頂けましたならとても嬉しいです！
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
