「The Unit―」で見せた天性の愛されキャラそのもののチャーミングな笑顔が印象的なジョンハだが、ドラマ「それでも僕らは走り続ける」(2020年)の陸上選手キム・ウシク役では、一味違う表情ものぞかせた。
ウシクは、イム・シワン演じる主人公キ・ソンギョムの陸上部の後輩で、周囲の期待を集める国家代表選手。だが、その活躍をねたむ先輩たちによって暴行を受けてしまう。ジョンハは、ウシクが暴行を受けて悔しさに涙するシーンや、ソンギョムの励ましによって再び前を向くシーンを誠実に演じ、視聴者にその存在をアピールした。
美少女に見とれて足元がふわり…
そして「ムービング」では、“飛行能力”を持つ高校生ボンソクを演じている。転校生ヒス(コ・ユンジョン)のかわいらしさに思わず見とれ、気が付くと足元がふわり…。そんな“超能力”を持つからこその苦労も、ジョンハが演じるとコミカルでリアルな男子高校生の日常、といった感じで笑いを誘う。一方で、女手一つで自分を育ててくれた母ミヒョン(ハン・ヒョジュ)を大事にする母親思いのいじらしい一面もしっかりと見せてくる。
そんなジョンハは、ディズニープラス公式YouTubeチャンネルで公開されているインタビュー動画で「演じたキャラクターと自分とのシンクロ率は?」の質問に「98%」と回答。「超能力以外にボンソクが持つ最大の能力は、温かい心で接し、ポジティブな思考を与えることで相手を明るい気分にする力ではないかと。僕も周りを明るくするタイプだと思うので、似ていると感じました」と理由を説明している。
“相手を明るい気分にする力”、それはまさに「The Unit」でも見せていたジョンハの持つ天性の魅力。彼自身がそのことをしっかり自覚しているというのが、なんとも心強い。
「ムービング」のキャッチフレーズ「英雄か、怪物か」が示唆する通り、“超能力”を持つボンソクはやがて、その力が周囲を助けもし、また傷つけもし得ることに気付いていくのだろう。その時にボンソクを英雄たらしめるのは恐らく、演じるジョンハ自身からにじみ出る温かい心、相手を明るい気分にするポジティブな力なのだろう。
超大作のメインキャストの一人として、「ムービング」でかつてない注目を集めるイ・ジョンハ。その生まれ持った愛嬌を武器に、初の大役でどんな活躍を見せてくれるのか、期待が高まる。
「ムービング」はディズニープラス「スター」にて毎週水曜2話ずつ配信。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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