門脇麦が主演を務めた映画「ほつれる」が9月8日(金)に全国公開される。それに先駆け、本編映像が一部初解禁された。
文則(田村健太郎)の異常な行動に戸惑う綿子(門脇麦)
解禁された本編映像では、心の支えだった恋人・木村(染谷将太)を失くしてしまった綿子(門脇麦)が、夫の文則(田村健太郎)に黙って山梨へ木村の墓参りに行くシーンが映し出されている。そんな綿子のもとへ文則から電話かかってくると、文則は開口一番「どこにいんの? 何してんの、今?」と怒りを抑えたような冷たい口調で言い放つ。
綿子は「今、英梨(黒木華)と一緒にいて出かけてるんだけど。遊びっていうか半分お墓参りみたいなこと」と正直に伝えると、今日は二人で内見に行くはずだったことを呆れたように問いただす文則。すっかり予定を忘れてしまっていた綿子が「もちろん帰るよ」と焦りながら言うも、文則の冷めた怒りは留まらず、お墓参りに同席していた英梨にも電話を代わってほしいと言い出す始末。「私? なんで?」と困惑しながらも文則の電話に応じ、その場を離れる英梨。
残る綿子は木村の父である哲也(古舘寛治)から木村の思い出話を聞き出そうと試みるのだが、戻ってきた英梨からは、なんと文則が、会ったこともない哲也にも電話を代わってほしいと言い出したと告げるのだった。
この映像では文則は電話の声のみの登場となっているが、その声をただ聴くだけでも、文則の押しの強さが感じられる。戸惑う3人の気まずい空気が映し出されているシーンだ。このやり取りを通して徐々に明らかになる2人の冷めた夫婦関係。
冷めきった夫婦関係…苦しみながらもゆっくりと答えへと向かう綿子
綿子と夫・文則の関係は冷め切っていた。綿子は友人の紹介で知り合った木村とも頻繁に会うようになっていたが、あるとき木村は綿子の目の前で事故に遭い、帰らぬ人となってしまう。心の支えとなっていた木村の死を受け入れることができないまま変わらない日常を過ごす綿子は、揺れ動く心を抱え、木村との思い出の地をたどる。
過去を振り返るうち、綿子は夫や周囲の人々、そして自分自身と、ゆっくりと向き合っていくことになる。
本作を監督するのは、「もはやしずか」「ザ・ウェルキン」で第30回読売演劇大賞優秀演出家賞、「ドードーが落下する」で第67回岸田國士戯曲賞を受賞した演出家・加藤拓也。音楽は、「ドライブ・マイ・カー」で第16回アジア・フィルム・アワード最優秀音楽賞を受賞した音楽家・石橋英子が担当する。