コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、作者の小林眞理子さんがタイに旅をした時に出会った、キャラの濃いイタリア人について描いた『タイで出会ったイタリア人』をピックアップする。小林さんが自身のX(旧Twitter)へ2023年8月2日に本作を投稿したところ、1.6万を超える「いいね」を獲得。本記事では、作者の小林さんにインタビューをおこない、創作のきっかけやこだわったポイントなどを伺った。
「カプチーノは私のガソリン!!」タイにいるのにイタリアっぽさ全開
作者の小林さんは、離島へ行くために事前に予約していた乗り合いバスでフェリー乗り場へ向かっていた道中で、近くに座っていたイタリア人女性に話しかけられた。彼女の名前はアンナ。気さくに話しかけてきた彼女に、タイにはよく来るのかと何気なく聞いてみることにした。すると「タイは若い頃からもう何十年も通っているけど…来るたびに朝のカプチーノが恋しくなるわッ…!たまらんのよオオオオ」「イタリア人は朝はカプチーノが無いとダメなのッ!!」と鼻息を荒くしながらの回答が。
朝食の習慣について、大抵の場合はカプチーノだけで済ませると語るアンナ。彼女から言わせれば朝から肉やタマゴなど「お腹がグチャグチャになるような朝ごはん」を食べるのは「イギリス人」らしい。そのほかにも「私、美味しいものは本物じゃないとダメだと知ってるの!」など、初対面とは思えない“圧”でマシンガントークが止まらない。
ただ小林さんにとっては、それよりもさっきから気になっていることが。これから青い海、白い砂浜に行くというのに、アンナはなんと革のブーツを履いていたのだ。独特なノリを貫いている彼女に小林さんはとても感心していた。そこへ「チャオ、この席いいかな?」と挨拶をしながら、アントニオと名乗るスキンヘッドにサングラスの男性が登場。シチリアから来たという。2人目のイタリア人だ。彼の足元を見てみると、なるほどイタリア人らしいアンナとの共通点があった…。
本作を最後まで読んだ読者からは、「濃い…濃すぎる!」、「つええ!」「オチまで最高でした!!」と絶賛の声が寄せられている。
「逆に私のサンダルダサいと思われてたかもしれない」自由で朗らかなイタリアらしさ
――本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。
国民性がよく出た会話になったことが心に残ったからです。
タイにいると欧州の人もアラブ、インド系ととにかく色んな国や文化の人と出会います。
みんな違う習慣や価値観で生きていることを日々実感します。その違いを発見するほど楽しいし、尊重したいと感じます。お互いの違いを発見して、かつ国を超えて仲良くなれるような漫画にしたいといつも思ってます。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
ほんとはもっとすごい勢いで会話は進んでいったし、「やっぱり日本人って英語下手ね!!アーッハッハ!!」ってカラカラ笑ってました。あけすけだけど楽しい人だと伝わってくれれば嬉しいです。
――イタリアの淑女が話しかけてきたきっかけは、小林さんが隣に座ったからだったのでしょうか。
タイでは知らない人同士でも近づいて目が合えばニコッとします。私もそうしてます。それで自然と会話が始まったり、友達になったり。彼女とは元々同じホテルから出発したので、自然と話し出しました。
――最後の乗客はドイツ人のカップルでしたが、イタリア人の二人は個人での旅行だったのでしょうか。
その辺は、後で続編を描こうかなと思っております。
――結局、革のブーツについては突っ込まなかったのでしょうか。
後ほど砂浜で再会した時も履いてたので、もう何も言うことは無かったです。履きたいんでしょう。逆に私のサンダルの方がダサいと思われてたかもしれない。
――ドイツ人カップルは美食トークに参加できたのでしょうか。
…ルックスは破滅的なファッションだったのですが、生き方は規律正しいようで、車内で大騒ぎしたくなかったみたいでした。確かに美食トークは1時間半続いたので、めちゃくちゃ疲れました。
――今後の展望や目標をお教えください。
電子書籍「タテスクコミック」で新連載「ソイ・ストーリー まんが家はタイの小路(ソイ)を行く」が冬に連載スタート予定です。
タイではいろんな予想外のことが起きるので、全部実際にあったことだけを漫画にしています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
いつも漫画を読んでいただいてありがとうございます。
タイが大好きで、この楽しさをみんなにも広めたくて描き始めました。皆さんが面白がってくれて、元からタイが好きな方も知らなかった方からも温かいメッセージをいただいてほんとにありがたいです。タイはもっともっと…いろんな魅力があるので、伝えていけたらと思います。タイには昔から、タイで頑張って来た日本人がたくさんいます。タイと日本の友情に花を添えられたらな、と思っています。
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