最終回を目前に控えた「癒やしのお隣さんには秘密がある」(毎週金曜夜0:30-0:59、日本テレビほか※TVer・Huluでも配信)の第12話が9月22日に放送。すれ違う藤子(田辺桃子)と蒼真(小関裕太)の胸が締め付けられる切ないやり取りから、ラストは怒涛の急展開が訪れた。(以下、作品のネタバレを含みます)
「癒やしのお隣さんには秘密がある」とは
同作は、Webコミックサイト「めちゃコミ」にて年間ランキング5位、「みんなの推し恋愛マンガ大賞」で“大人の恋愛部門”入賞を果たした同名コミックが原作。どこにでもいる普通の女性である主人公に迫るイケメン…という普通の恋愛マンガから一歩踏み出し、イケメンにとんでもない“属性”を持たせたことで話題に。
頑張り屋の主人公・蓬田藤子を演じるのは、「リコカツ」などのドラマに出演した田辺桃子。W主演として、少女マンガ「わたしに××しなさい!」の実写化映画・ドラマを熱演した小関裕太が謎多きイケメン・仁科蒼真を務める。
蒼真の血を吐くような告白と、涙を流して悔しがる藤子
前回、4年前に会った藤子が命を救ってくれた当時のことを明かした蒼真。話を聞いた途端、藤子の頭にも当時の状況がよみがえってくる。仕事を始めたばかりで親しく話せる人もおらず、失敗にも悩んでいた藤子は屋上の空気を吸ってから仕事を始めるのが日課だったという。
屋上で飛び降りる直前の人を救う顛末(てんまつ)を思い出しても、一生懸命すぎて顔もよく見ていなかったと回想。会社の御曹司という立場で両親からのプレッシャーに絶えられない状況にあった蒼真は、「できそこないの僕が生きている意味ってなんだろう。仁科家の長男ってこと以外、価値はないのに…そんな自分を責める声が頭の中に充満して、もうなんにも考えられなくなって…」と苦しんだ過去を思い起こす。
自殺未遂まで至る辛い精神状態のとき、救ってくれた藤子を守る。そう考えた蒼真は固く「藤子さんのことを守ろう。藤子さんのために生きよう」と決意した。そして、彼女が送る日常のさまざまなシーンをよく観察し、遠くから見守っているうち、蒼真は段々と引かれていったのだ。
「気付いたときには自分が抑えられなくなって…」と言葉を継ぐ蒼真だったが、どこか言い訳がましくなっているのを感じたのだろう。言葉を口の中でかみ殺すように顔を歪めつつ、「もう絶対にこんなことはしません。藤子さんの前にも、二度と…だから安心してください」と謝罪した。
しかし、藤子からの返答は「なんですか、それ…」と意外な言葉。ギョーザを一つ、ビールとともに飲み下した藤子は千円札を机に置いて無言のまま退店してしまう。尋常ではないようすにさすがの蒼真が慌てて追いかけると、藤子は涙を浮かべて「いいかげん、気付いたらどうですか」と訴える。
「ご両親の期待に応えるために生きて、今度は私を守るために生きようと思った?あなたはただ単に、自分の誰かに託したいだけなんですよ!」藤子には珍しい、怒りとやるせなさのこもった叫びだ。涙がこぼれるのもぬぐえないまま、「どうして、あのときはどうもって…僕は元気に生きてますって…そうやって普通に話しかけてくれればよかったじゃないですか!なんでストーカーなんか…あなたがストーカーなんかにならなければ…!」と歩き去った。
前に進むために、蒼真を忘れるために会いに行ったはずの藤子。しかし、その胸のうちには、さらなる激情が渦巻いてしまった。それは「ストーカーなんかにならなければ」という言葉の後に、「今でも好きだった」と続けてしまいそうになるほどに。