九条「私が何でもするのは、生徒が変わるため。終わらせるためじゃない」
星崎は小学生の頃の出来事を振り返り、「その頃からかな。自分がおかしいって気付いたのは」と告白。我慢して周囲に合わせていると、周りが景色のように見えてきて、白黒の映画のように色のない虚しい世界に思えてくる、と。そんな色のない世界に一人だけ色のある人物が現れた。それが九条だった。九条のために何か役に立ちたくて行動するがそれらは全て裏目裏目に。
星崎は「一緒に死んでほしい」とお願いするが、九条は「それはできない。私が何でもするのは、生徒が変わるため。終わらせるためじゃない。それに私は死にたくない」と拒否。そして、「この世界を楽しんでみませんか?」と説得するが、「言ってることは分かるんだけどさ。やっぱり動かないんだよ。俺の心」と言って柵を越えて飛び降りようとした。
星崎の腕を掴む九条。3Dの生徒たちが駆け寄ってくるのが見えると、星崎は「色がついてるよ、みんなに。変わったね」と九条に伝えるが、もう九条の腕が限界に。そんな時、駆け寄って星崎の腕を掴んだ人物がいた。それは蓮だった。
九条「私は生徒に託された。この世界をこれからも生きて変え続けることを」
引き上げられた星崎のところに3Dの生徒たちが集まり、相楽(加藤清史郎)が「悲しかったろう、鵜久森のこと。俺たちのために死ぬな」と思いをぶつけると、星崎は「みんなの後ろで見えているこの真っ赤な太陽はきっと一生忘れないんだろうね」と答えた。
九条と星崎の運命が変わったかと思ったが、「お前のせいで俺の人生が変わった」と浜岡(青木柚)が逆恨みして九条を背後から刺し、九条は意識が遠のいていく。
薄れる意識の中、九条は「いつからだろう。その瞬間、自分を信じて立ち上がる強さを教師の私の方が教えてもらうようになったのは。二周目の人生で教室を変えると宣言した私だったが、いつでも状況を変えてきたのは生徒自身だった。私は本気で生徒とぶつかることを決めた。その本気に応えてくれたのは生徒の方だった。私にとって『最高の教師』は生徒の方だった」と、この1年を振り返りながら思った。
病室で目を覚ました九条。蓮は「里奈、生きてるぞ」と声をかけ、3Dの生徒たちも駆け寄り、九条を囲んだ。「蓮、助けてくれてありがとう。みんな、改めて卒業おめでとう」と伝えた九条はこう思った。「私は生徒に託された。この世界をこれからも生きて変え続けることを」と。
いろいろなことを乗り越えたからこそ生まれた絆と強い思い。みんなが一つになったから、運命も変えられたのではないだろうか。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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