コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、姉とのケンカの中で弟がある秘策を思いつく漫画『敵わない弟がとった行動』をピックアップ。
作者である漫画家の仲曽良ハミさんが、2023月7月16日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、6000件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では仲曽良ハミさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
「戦いは戦略だ」弟がとった姑息な手段とは…
主人公の少年は、姉とのケンカに勝ったことがなかった。姉はいつも“髪の毛を鷲掴みにして引っ叩く”という勝ちパターンがあり、その際、弟である主人公の攻撃は虚しくも届かず、この時点で心が半分折れてしまうのだった。
圧倒的な力の差を見せつける姉は、最後に弟を力いっぱいぶん投げて“試合終了”――。弟は「チクショウ なんなんだあいつの強さは!」とうなだれ、“人間の子供はゴリラには勝てない”と悟る。そして、禁じ手である“母の召喚”を試みることに。
その召喚方法には“儀式”が必要で、まずハサミを取り出し適当な量の自分の髪の毛を切り、それを畳にばらまき、最後にしっかり位置を合わせ寝転ぶ。こうすることで“激しい戦いの末、抜け落ちた髪と共に気絶する弟”という悲惨な現場が完成。主人公は、「みてろよゴリラ…戦いは戦略だ」「いでよ!チャンカー」と母親に姉のことを叱ってもらおうと企む。
しかし、その状況を見た母親は無言で掃除機を取り出し、散らばった髪の毛を吸いとってしまう。どうやら母親はすべてを見透かしていたようで、主人公の作戦は失敗に終わるのだった――。
ネット上では「オチが笑える」「ガン無視するチャンカーが最高に面白い」「お姉ちゃん強すぎるだろ(笑)」といった声のほかに、「昔の俺だ」「私も姉に勝てたことなかったなぁ」と、幼少期の自分と重ねて共感する声も相次いだ。
作画の際は「表情や感情の表現には気をつけています」
――『敵わない弟がとった行動』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
この話は完全な実話です。僕の中で印象に強い思い出だったので漫画にしてみました。
――本作では、姉弟喧嘩で敗れた弟が考える“ずる賢い作戦”や、その作戦があえなく失敗に終わるシーンが非常に面白くて印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
やはりお母さんは毎日二人を見てますから、全てお見通しというオチの部分でしょうか。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
「いでよチャンカー」のところでしょうか。お母さんを召喚獣っぽく?チャンカーという表現にしました。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
基本的に僕の思い出からピックアップしていますが、歳の近い方がいらっしゃったら当時何をして遊んでいたか聞いたりしています。
――仲曽良ハミさんの作品は、親近感を抱くストーリーの中に笑える要素が盛り込まれており、起承転結もしっかり描かれていて非常に読み応えを感じます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
表情や感情の表現には気をつけています。読者さんは共感して読んでくれていますので、感情の部分も細かく拾うようにしています。
――今後の展望や目標をお教えください。
今後はコミックスを安定して出版できれば嬉しいですし、最終的にはアニメ化が目標です。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも応援ありがとうございます。これからも“あの頃夢中に遊んで大人になった”皆さんに喜んでもらえる作品を作れるように頑張ります!