閉じる

“冬の女王”広瀬香美が見出す「次世代の歌姫」像 現代の歌い手たちに見えた課題と、歌姫候補たちから学んだこと

2023/10/20 08:30

“冬の女王”広瀬香美が見出す「次世代の歌姫」像
“冬の女王”広瀬香美が見出す「次世代の歌姫」像※提供画像

「ロマンスの神様」「ゲレンデがとけるほど恋したい」「promise」などのヒットソングを世に送り出し、“冬の女王”という名でも知られる歌手・広瀬香美。最近ではYouTubeで「歌い方の解説」といった動画を公開している彼女だが、実は以前から歌手以外の活動も積極的におこなっている。特に楽曲提供は「ロマンスの神様」がヒットした1993年から始めており、歌う当人の音程や声質などに合わせたプロデュース能力は認められていた。

そんな広瀬が、新しく始めた試みが「新時代の歌姫」を見つけるためのオーディション番組『「歌姫ファイトクラブ!!」心技体でSINGして!』(Huluにて独占配信中)。選考の様子をドキュメンタリーとして映像化することによって、彼女の音楽プロデューサーとしての側面、さらには人間性にも迫った同番組の狙いとはなんだったのか。彼女が探す“次世代の歌姫”のイメージと番組について、同番組の演出プロデューサー・栗原甚氏も同席のうえ、インタビューで語ってもらった。

「レッスン番組とオーディションが合体!」広瀬にしか実現できない番組


ーーオーディション番組が増えてきた昨今、今回のオーディション番組の特徴を改めて表すとしたら、どういうところでしょうか。

広瀬:審査員である私が歌手であるというところが一番の特徴だと思います。一般的なオーディションでは音楽プロデューサー対選ばれる人という構図だと思いますが、1人ひとりの歌を聴いて審査をしていると…これは反省でもあるんですが、アドバイスになってしまっているなと感じることも多々ありました。審査中に、つい「今こういう気持ちなんじゃないかな」「もっと、こう歌ったらいいのに!」とか「ここはこうしたほうがいいと思うよ」とかいちいち思って、伝えちゃうんですよね。自分も心の中で、「うるさい!審査しなさいよ」とか思うんですけど(笑)。

そんな感じで、オーディション番組でありながらも“レッスン番組”のようになってしまっているのも、今回のオーディションの特徴ではないかなと思います。

栗原:僕としては、そういうところを狙った企画で、実はそこが面白いポイントだと思っているんです。世の中には音楽プロデューサーはたくさんいます。そういう人たちは、ヘッドホンをつけて声質を聴いて決めることが多いと思います。

でも広瀬さんは歌手であり、楽曲提供やプロデュースもできる音楽プロデューサーでもあり、さらにボイストレーナーでもある。だからこそ他のオーディション番組とは違うやりとりが見られる。だからこそ面白い。広瀬さんにしかできないオーディションになる、と予想していました。

ーー広瀬さんのことを理解されていないと、この番組のような企画を提案できないと思うのですが、
お2人は以前にもお仕事でご一緒された経験があったのでしょうか。


栗原:いえ、実は今までお仕事ではご一緒したことがないんです。友人を通じて広瀬さんと知り合い、定期的に会ってお話しする機会はありましたけど。会話の中で広瀬さんが考えるビジョンに対して、たとえばYouTubeをやったら面白いんじゃないかとか、好き勝手にアドバイスをしていたくらいです。

あとはコンサートを観に行かせてもらった後、演出家として「あの部分は変えたほうが良いんじゃないか」とか、長文で感想を送ったりしていましたね。

広瀬香美インタビューカット
広瀬香美インタビューカット※提供画像


ここにしかない「素の広瀬香美」が臨む貴重なオーディション


ーー次はオーディションについて聞かせてください。歌姫に求められる条件としては、番組名にもあるとおり「心技体」かと思います。広瀬さんが“今の時代”に求める【歌姫の条件】を教えてください。

広瀬:私がイメージする今の時代、これからの時代の歌姫の条件は、「ずば抜けて歌が上手」というだけではありません。SNSなどを通じて、色々な自分の意見を発信していけること。これができなければ、“世界”では通用しません。自分の在り方や思考、好き嫌いをはっきりと自分の言葉で発信できる力が必要です。

イメージに近い歌姫は、テイラー・スイフト。彼女は自分らしい楽曲を作り、歌うだけではなくダメなことはダメ、嫌いなことは嫌いと発信しています。そんな彼女は、歌だけでなくパーソナリティごと多くの人々から愛されています。愛され、共感も得られる…そういう歌姫に出会いたい。そしてそういう歌姫を私は自分の手でプロデュースしていきたい、そう思っています。

ーー歌手を目指す若者と顔を合わせてみて、ご自分の若かりし頃に比べて違うと思ったところや変わらないなと思ったところはありましたか?

広瀬:違いはたくさんあり、番組を通じて勉強させてもらいました。一番違うなと感じたのは、“撮られ慣れている”ことです。さすがSNSの時代だと感じました。発信の仕方だけでなく、表現の仕方が進化し過ぎています。

私がオーディションを受けたときなんて、「素材をそのまま聞いてください」っていう感じで(笑)。でも今の皆さんは、「こういう風に聞いてください!」「こういう風に審査してください!」と審査のポイントまで投げかけてくるんです。SNSでの発信によって、ファンの方々からの評価やいいねに慣れていることもあって審査慣れというか、評価され慣れている感じがしました。

「広瀬さん、歌も歌えますけど曲も書けます、オリジナル曲もありますから」と匂わせるように歌を歌ってきたりして…(笑)。アピールの素晴らしさに一番びっくりしました。あと、これは良いことなのか悪いことなのか自分の中で検証しきれていませんが、スマホやPCに向かって歌っているからか、声量が極端に小さいということもありました。

ピンマイクで綺麗な艶のある声で歌った音源を、アプリでエコーをかけたり、音程を調整したりして加工する。今回のオーディションは動画審査からスタートだったのですが、そこでは加工の実態が全くわかりませんでした。応募動画ではド迫力な音量で、かつ良い音程で歌っていた最初の42名に実際にお会いした時、極端に声量の小さい方が結構な人数いたんですよ。そこが現代の特徴かなと、とても勉強になりました。

『「歌姫ファイトクラブ!!」心技体でSINGして!』より
『「歌姫ファイトクラブ!!」心技体でSINGして!』より※提供画像


下に続きます
■番組公式視聴ページ
https://www.hulu.jp/singer-fight-club

【メーカー特典あり】Kohmi30th [初回限定盤BOX SET] [3SHM-CD + ヒストリーブック + 豪華大判ブックケース仕様三方背ケース] (メーカー特典 : ポストカードB 付)
【メーカー特典あり】Kohmi30th [初回限定盤BOX SET] [3SHM-CD + ヒストリーブック + 豪華大判ブックケース仕様三方背ケース] (メーカー特典 : ポストカードB 付)
広瀬香美 (アーティスト)
ビクターエンタテインメント
発売日: 2022/11/30
今日から歌がうまくなる! 広瀬香美の歌い方教室
今日から歌がうまくなる! 広瀬香美の歌い方教室
広瀬 香美 (著)
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日: 2011/04/15
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

画像一覧
15

  • “冬の女王”広瀬香美が見出す「次世代の歌姫」像
  • 【写真】広瀬香美が選び抜いた歌姫たち
  • 広瀬香美インタビューカット
  • 広瀬香美インタビューカット
  • 広瀬香美インタビューカット
  • 『「歌姫ファイトクラブ!!」心技体でSINGして!』より
  • 『「歌姫ファイトクラブ!!」心技体でSINGして!』より
  • 『「歌姫ファイトクラブ!!」心技体でSINGして!』より
  • 『「歌姫ファイトクラブ!!」心技体でSINGして!』より
  • 『「歌姫ファイトクラブ!!」心技体でSINGして!』より
  • 『「歌姫ファイトクラブ!!」心技体でSINGして!』より
  • 『「歌姫ファイトクラブ!!」心技体でSINGして!』より
  • 『「歌姫ファイトクラブ!!」心技体でSINGして!』より
  • 『「歌姫ファイトクラブ!!」心技体でSINGして!』より
  • 『「歌姫ファイトクラブ!!」心技体でSINGして!』より

関連人物

  • No Image

    広瀬香美

  • No Image

    栗原甚

  • 「ザテレビジョン」からのプレゼント!

    「ザテレビジョン」からのプレゼント!

  • 第119回ザテレビジョンドラマアカデミー賞

    投票〆切は4/5!第119回ザテレビジョンドラマアカデミー賞

  • 【春ドラマ】2024年4月期の新ドラマまとめ一覧

    随時更新中!【春ドラマ】2024年4月期の新ドラマまとめ一覧

  • ザテレビジョン マンガ部まとめ

    SNSでバズった話題のマンガが読み放題!ザテレビジョン マンガ部まとめ

  • 【冬アニメまとめ】2024年1月期の新アニメ一覧

    随時更新中!【冬アニメまとめ】2024年1月期の新アニメ一覧

  • コミック試し読みまとめ

    話題の作品がいっぱい!コミック試し読みまとめ

もっと見る