コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、藤原あおいさんが描く『嫌われ者のメデューサちゃんの話』をピックアップ。
2023年10月24日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、2.7万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、藤原あおいさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
嫌われ者のメデューサちゃんが“メデューサ専門美容院”に行ったら驚きの展開に…
髪の毛にたくさんの蛇がいるメデューサは、亜人の中でも特に人間に嫌われやすい存在だ。ヘアカットの際も、普通の美容室では嫌がられてしまうため、自分で切らなくてはいけない。
しかしある日、メデューサちゃんは“メデューサ専門美容院”の存在を知る。満足なサービスが受けられるのか興味が湧いたため、その美容院へ行ってみることにした。
美容院へ向かう道中、周囲からは「気持ち悪っ！」「石にされるぞ」など、心無い言葉が飛び交う。メデューサちゃんは大人しく歩いているだけなのに、とても可哀想に思える。
美容院に到着すると、素敵な笑顔の美容師さんが出迎えてくれた。気持ちのよい接客と、蛇に対しての対応も優しく、さすが“メデューサ専門”を謳う美容院だった。そして、つつがなくサービスを受けていると、突然、美容師さんが驚いたように声を発した。何かあったのかと不安がるメデューサちゃんだったが、なんと美容師さんは蛇たちの中から未確認動物として有名な“ツチノコ”を見つけたのだ。
“ツチノコ”発見のニュースはテレビでも大々的に取り上げられ、メデューサちゃんは一躍有名に。あれよあれよと人気者になってしまったメデューサちゃんは、写真や握手などを求められると、テンパって顔を赤らめてしまうほど恥ずかしい気持ちでいっぱいになった。これまでは嫌われ者で過ごしてきて不満もあったが、人気者になったら、それはそれで恥ずかしくなってしまう可愛らしいメデューサちゃんなのであった――。
投稿へのコメントを見ると、「蛇可愛いやん！」「私は蛇好きです」など、作中では嫌われ者として描かれるメデューサに好感を持つ読者が多かった。メデューサちゃんがこれらのコメントを見たら、きっと漫画のように可愛らしく恥ずかしがるに違いない。
作者・藤原あおいさん「今まで異形をあまり描いてこなかったので、描くことが非常に楽しい」
――『嫌われ者のメデューサちゃんの話』を描こうと思ったきっかけや理由などをお教えください。
まず、漫画にすると面白い言葉の組み合わせを探していたところ「メデューサ専門美容院」という単語を思いつきました。それから、私は最近「弱者が救われる話」を描く事と「異形のもの」を描くことがマイブームなので、そちらを合体させて、4ｐにまとめられないかと試行錯誤した結果こうなりました。
――X(旧Twitter)の投稿には、多くの“いいね”やコメントが寄せられていました。今回の反響をどのように受け止めていらっしゃいますか？
沢山の方に見てもらえたことは本当に漫画家冥利に尽きます。1ぺージ目の主人公の髪の毛の中に4ページ目の落ちにつながるような、伏線というかヒントのようなものを遊び心で入れたのですが、そこにも気づいてくださる方々がいて、細かいところまで見ていただいて大変嬉しく思いました。
――メデューサは髪が蛇になっています。そのため、美容室ではどのようにカットしているのか気になりました。蛇の身体を傷つけずにヘアカットをするのでしょうか？
メデューサちゃんの髪は蛇の部分と髪の毛の部分に分かれています。蛇の部分に保護具を付けてから、髪の毛の部分をカットして、その後蛇に優しいシャンプーを使って洗います。
具体的な方法としては、ヘビの頭部分には、エリザベスカラー(動物が傷口を舐めないように装着する円錐台形状の保護具)を付けて、胴体の部分にもプラスチックの保護具を付けます(ハサミなどで傷つけないように)。ドライヤーの時は蛇にタオルを巻いて直接風が当たらないようにして乾かします…こんな感じに考えています。蛇を飼ったことがないので完全に想像です。
――今回の作品以外にも、藤原さんの漫画には妖怪や神様、怪物など人外が出てくるお話が多くある印象です。人外の魅力や漫画で描く理由などがあればお教えください。
例えば、怖い不良が捨て猫を拾っていたらギャップ萌えすると思うのですが、同じ理屈で異形で怖いものが実は人間味があったり、優しい一面を持っていたりすると萌えたり、好きになるのではないかと思っています。
あと、今まで異形をあまり描いてこなかったので、描くことが非常に楽しいです。
――今後の展望・目標をお教えください。
「かわいい」「異形」「誰かが救われる話」そういうものが好きなので、そんなお話を描いていけたらと思っています。X(旧Twitter)とpixivにて無料で漫画を公開しておりますので、引き続きそちらの方で漫画を沢山描いていけたらと思います。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
私の漫画を読むことに人生の数秒でも使っていただけたら、大変嬉しいです！これからもよろしくお願いいたします！Xまたはpixvにて「藤原あおい」で検索してください！
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
