コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、Chickさんが描く『キャンドルと魔女』をピックアップ。
2023年10月9日にX(旧Twitter)で1話から4話目までを投稿したところ、9.4万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、Chickさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
森の中で謎の少女とロウソクの悪魔が出会う…
この物語は、森の中で出会った謎の少女とロウソクの悪魔のお話。ロウソクの悪魔“キャンドル”に気に入られた少女は、キャンドルの住む家へ連れていかれる。
キャンドルは少女を「僕のリトルマム」と呼び、「僕は君の悪魔だよ これから一生よろしくね」と伝えた。わかるのは不気味な笑顔のみで、言葉の意図はまだわからない。
キャンドルは少女に好意的に接してくれた。ボロボロな姿だった少女の髪を綺麗に切り揃え、美味しいご飯を用意してくれる。少女は出されたご飯を急いで口いっぱいに詰め込んだ。早く食べないと他人に取られてしまう…これまでそんな環境で過ごしていた。
「おいしいってあったかいんだ」
他人にとっては当たり前のような、しかし少女にとってはとても遠い感情を人間以外の者から教わった。
お気に入りの人間を見つけてご機嫌だったキャンドルだが、ふと家の外に出た少女をさらいに来た男たちが現れる。少女と話していたキャンドルの背後に現れた男たちは、持っていた斧でキャンドルの首をはねた。そして、男たちは少女を連れ去ろうとするが、頭のないキャンドルが立ち上がり、あっという間に少女を取り返した。
少女は男たちにさらわれる瞬間、思わず「キャン、ドル…」と助けを求めて名前を呼んでいた。それに対して、キャンドルはこの上ない喜びを感じる。そして、喜びに任せて次々と男たちを倒していった。
全てが片付いた後、少女は自分の名前が“ライラ・アプリコットフィズ”だと伝える。そして、キャンドルのもうひとつの名前が“キース・モヒート”であるということも続けて話した。少女は“眼”が良すぎる能力から、本当の名前を知ることができたようだった。
少女は本当の名前だけでなく、もっとキャンドルのことを覚えたいと言った。キャンドルは満たされていく何かを感じていた。
お互いに大切な存在を見つけたのかもしれない。二人は手を繋いでキャンドルの家へ帰っていった――。
この物語には、多くの謎が残されている。続きが気になる人は、ぜひChickさんのX(旧Twitter)やpixivをチェックしてほしい。
作者・Chickさん「絵だけではなくいろんな側面で楽しめるようなキャラ作りがしたい」
――『キャンドルと魔女』を描き始めようと思ったきっかけや理由などをお教えください。
キャンドルと魔女を描き始めたのは、何か自分だけのコンテンツでマイペースに楽しめるお話が書きたいと思ったのが始まりだったと思います。
――今作を描く上で、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
特に心掛けていることは“楽しんで描く”ということです。
もちろん描いている際は足りない技術やお話の構成などに苦戦し楽しいことよりも辛いなぁと感じることが多いです。
しかしそれは産みの苦しみであって根底にある描いていて楽しいとはまた違います。
それを忘れないように読まれる方にも、自分にも「あぁ楽しんで描いているんだなぁ」と思ってもらえるように心がけております。
――登場人物の名前には、“モヒート”や“アプリコットフィズ”といったカクテル名が入っています。カクテル言葉の意味も込めた名前なのでしょうか?
もちろん彼らの名前にはたくさんの意味を込めています。
カクテルは綺麗でキラキラしていて眺めたくなりますが、内実飲み過ぎれば危ないでしょう?
絵だけではなくいろんな側面で楽しめるようなキャラ作りがしたいなと思っております。
ただ、決してカクテル言葉だけに傾倒しているわけではなく名付ける全てに意味をもたらせるようにしております。
――キャンドルはリトルマムの髪を綺麗にカットしたりご飯を用意したり、デザートを作ろうとするシーンもありました。家事系のスキルが高いように思えます。過去の魔女(マム)と過ごしていたときに身につけたのでしょうか?それとも、誰かに愛してもらうために身につけたのでしょうか?理由や背景などがあれば、お教えいただいてもよろしいでしょうか。
家事が得意な背景やキャンドルの心中については物語の中で追々に出てくる予定ですので今はお伝えできませんが、キャンドル自身はとても好奇心旺盛なためタバコや人間の食べ物、流行など嗜好品が好きだったりします。
特に食べることは好きで料理のスキルが高いです。
またあぁ見えて結構鼻っ柱が高く「〜もできる悪魔だからね!」と言ったりと「できない」アピールすることがあまり好きではありません。
彼が家事スキルがあるのは、悪魔なのに意外と努力家だからかもしれません。
――今後の展望・目標をお教えください。
今後の目標としては、まずは今執筆中の街編を書き上げることです。
今できることを一つ一つ進め、続きを待ってくださる方々にお届けできるように励みたいです。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
読者の皆様におかれましては、キャンドルと魔女を読んで頂き本当に感謝しかありません。
世の中多くの素晴らしい作品が溢れ目に留まる中、見つけて下さったことが奇跡のようだと思います。
何度も読み返して下さったり温かいメッセージを下さったりと、この物語に費やしてくださった全てが宝物です。
これからもキャンドルとリトルマムのお話を綴って参りますので、よければ見守ってくださいませ。