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110年前の“最古の忠臣蔵”を活弁・演奏付きでテレビ初放送へ 年末の風物詩「忠臣蔵」が日本人に愛され続ける理由

2023/12/13 16:30

最古の忠臣蔵<活弁トーキー版>
最古の忠臣蔵<活弁トーキー版>資料提供:国立映画アーカイブ

古くは江戸時代から人形浄瑠璃や歌舞伎、その後も映画にドラマに…と、ジャンルを問わず日本人にとっての“鉄板コンテンツ”であり続ける「忠臣蔵」。そんな「忠臣蔵」のうち、1910年製作の“現存する最古の映画”を含む5作品がCS放送「衛星劇場」で12月に放送される。100年以上も前の映画製作者のロマンがつまった映像に、現代の演奏・弁士による語りを合わせた“新作”だ。本記事では、時代を超えジャンルを超えて、日本人に愛され続ける「忠臣蔵」の魅力に迫る。

もとになった“赤穂事件”とは


「忠臣蔵」は、江戸時代に実際に起こったセンセーショナルな事件をもとにして作られた創作作品だ。元禄15(1702)年12月14日、赤穂藩主・浅野内匠頭長矩(あさのたくみのかみながのり)の家臣47人が、切腹処分を受けた主君の仇(かたき)をとるべく吉良上野介義央(きらこうずけのすけよしひさ)の屋敷に討ち入りし、吉良を討ち取った“赤穂事件”。今も「忠臣蔵」が年末に放送されることが多いのは、この討ち入りの日付によるところが大きい。

その前年の3月に、浅野内匠頭が江戸城の松之廊下で吉良上野介に斬りかかる出来事が発生。このとき浅野内匠頭は切腹・お家断絶という厳しい処分を受けた一方で、吉良上野介は何の処罰も受けなかった。“喧嘩両成敗”が基本だった当時、それでは筋が通らない、と浅野家家臣たちが名誉のために起こしたのが“赤穂事件”と呼ばれるものだ。

赤穂事件をモチーフにした芝居が上演

喧嘩安兵衛
喧嘩安兵衛(C)東宝


その当時は、戦国時代が終わり江戸幕府が開かれておよそ100年。平和に慣れきっていた人々は、赤穂の侍たちが起こした久々の大事件に興味津々。事件直後から、事件をモチーフにしつつもドラマチックに脚色された芝居がいくつも作られ、人々を熱狂させた。

特に有名なのが、1748(寛延元)年に生まれた人形浄瑠璃「仮名手本忠臣蔵」。これが大評判となり、同じ年には歌舞伎でも同名の作品が上演され、大ヒット。赤穂事件をモチーフとした作品が“忠臣蔵”と名づけられたり呼ばれたりするのは、この「仮名手本忠臣蔵」の影響だと言われている。

講談や浪曲、落語でも、赤穂事件をモチーフとした作品は大人気。さらに、現在に至るまでたくさんの映画やドラマが作られ、2013年にはハリウッド映画「47RONIN」まで登場した。「忠臣蔵」は300年以上にわたり、日本のエンタメの代表として愛され続けているのだ。

下に続きます

画像一覧
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  • 最古の忠臣蔵<活弁トーキー版>
  • 【写真】「元禄忠臣蔵 大石最後の一日」より 琴の爪
  • 喧嘩安兵衛
  • 義士始末記
  • 假名手本忠臣蔵

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