コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、2月8日に第1巻が発売された『ヴィランの学校』から、容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能、由緒正しい名家の息子が日本一治安の悪い高校でトップを狙う話『総理大臣の息子が日本一の極道になる話』をピックアップ。
作者の奥嶋ひろまささんが12月8日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、1.3万件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者・奥嶋ひろまささんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
任侠組織運営・美蘭高校の頂点は国の頂点 相反する総理大臣の息子がじゃんけんに命をかけて挑む戦い
本作の舞台、美蘭高校の入学式が行われた。校長はなんと、美蘭組三代目組長・鬼樹獣蔵(ききじゅうぞう)。美蘭高校は、戦後から長く日本の政治・経済・産業・建設・土木・エンタメ等を裏で操ってきた国内最大の任侠組織であり日本の頂点(てっぺん)“美蘭組”が運営する歴とした学校法人。全国から極道の倅、悪童、犯罪少年、問題児が集まる偏差値20、倍率10倍の美蘭高校を制する果ては美蘭組の組長、つまりこの国の頂点に立つことだ。
この日本一治安の悪い高校の異物、容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能の新入生・麒麟寺城一郎(きりんじじょういちろう)・15歳。現総理大臣・麒麟寺太郎(きりんじたろう)の息子であり、将来は総理大臣になることを義務付けられていた。彼が美蘭高校に入学した事の発端は4か月前の去年の冬に遡る。いつも通りの日々、父の部屋に入ると、鬼樹の足を舐める父がいた。鬼樹に「この世の男は、ワシかワシ以外か、頂点か犬のクソ」と教えられ、初めて敗北感、屈辱、劣等感、畏怖…を味わう。そして今、決められた将来を捨て、本物の漢、本当の頂点になるべくこの高校にいる。
ある日、卒業後は美蘭組の本家を運営していく生徒会4名・V4が新入生の様子を見に、1年のフロアに来たが、13代目副生徒組長・3年薔薇組・浅桜白虎(あさくらしとら)以外帰ってしまう。鬼の生徒組長の“ヤバい”伝説を知らない麒麟寺は他の1年生が整列している中、1人浅桜の前に立った。浅桜は「無礼は万死に値する」と忠告するも、麒麟寺は「いずれは貴方方の上に立つことになる」とケンカを売ってしまう。「戦争じゃあーっ」という浅桜の声と共に、美蘭名物殺試合“戦争じゃんけん”が始まった。一見ただのじゃんけんに見えるこの戦争だが、勝負が決まる時どちらか一方が確実に死ぬ戦いだ。あいこになった時、相手より早く銃を作り「バンッ」と言った方が勝ち。負けた方はあいこの手の罰を受ける。グーがリンチ、チョキは沈没で海に沈められ、パーはダイナマイトで爆破だ。他の1年生の兄が去年、パーで負け、ダイナマイトを背負わされ大火傷を負い、背中の般若の紋々が消し飛んだという。続いていくじゃんけん。お互い譲らない戦い。ついにあいこになるが、その決着はいかに――――
総理大臣の将来を捨てじゃんけんに命をかける展開に、読者は「おもしろすぎて続きが楽しみ」「神マンガ」と絶賛。「画力とくだらなさがアンバランスですごくすごく面白い」「絵も綺麗でお話もキレキレ」と反響を呼んでいる。「いつもの奥嶋ひろまささんだった」とファンからの喜びの声も。その他にさりげない細かいネタにも注目が集まっている。
総理大臣の息子が、任侠組織運営の高校でトップを目指す衝撃的な世界を生み出した作者・奥嶋ひろまささんの想い「普段の生活の嫌な事など忘れていただけたら」
――『総理大臣の息子が日本一の極道になる話』を創作したきっかけをお教えください。
不良漫画を描きたくて、主人公をどうするか？ってなった時に、不良と真逆のタイプって何だろう？と考えて行き着いた先が総理の息子でした。
――「ヴィランの学校」では、多くの読者が、奥嶋ひろまささんが創り出した世界を楽しんでいましたが、学校の設定や戦争ゲームなどはどのように生み出されたのでしょうか。
不良漫画が描きたかったんですが、もう殴って蹴って、どっちが強いみたいな不良漫画は自分では飽きてるところがあって、熱くて命懸けてるんだけど、やってる事は馬鹿らしく、かつ読んでる読者の方が出来る事は何かな？と思った時に昔からやってる遊びが良いかなと思いました。学校の設定もただ学校のてっぺんじゃつまらないので、この学校のてっぺんを取ったら、国のトップに立てるという風にしたくて、極道の学校になりました。
――麒麟寺城一郎やV4等、本作に登場するキャラクターへのこだわりがございましたらお教えください。
不良不良し過ぎて熱苦しいので、キャラは美形で、女性にも読んでいただけるようなキャラ造形にしました。描いてても楽しいので。
――特に想い入れのある、またはお好きなシーン、セリフ、展開はございますか。
男同士の熱いところが描きたかったので、ドスゲームの後の麒麟寺と獅子戸の血を吸い合うシーンはお気に入りです。
――今後の展望や目標をお教えください。
目標は特にありません。
いわゆるおバカ漫画なので、読者に気に入られなければ終わるし、気に入ってもらえればドンドンお馬鹿な展開を盛り込んで麒麟寺が国のトップに立つまで描ければなという感じで気楽に楽しんでおります。
――最後に楽しみにしている読者やフォロワーさんへメッセージをお願いいたします。
いつも読んで下さりありがとうございます。
またくだらない漫画を始めました。「くだらねぇ」と笑っていただいて普段の生活の嫌な事など忘れていただけたら幸いです。
キャラは愛すべき馬鹿野郎たちなので、一緒に愛でていただければと思います。
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
