バンダイナムコエンターテインメント、バンダイナムコフィルムワークス、BANDAI SPIRITSによる大型SFプロジェクト「SYNDUALITY」のアニメ「SYNDUALITY Noir(シンデュアリティ ノワール)」(毎週月曜深夜0:00-0:30ほか、テレ東系ほか/ディズニープラスで独占配信)の第2クールが、1月8日より放送・配信開始。今回はノワール役・古賀葵の演技についての魅力を紹介する。
「SYNDUALITY Noir」とは
同作は、近未来を舞台にしたSF作品で、主人公の青年とヒューマノイドの冒険を描く物語。「新月の涙」と呼ばれる未曾有の大災禍により地下深くへと逃れた人類は地下都市国家「アメイジア」の崩壊という事件を経て、再び地上で生きる希望を持ち歩み始める。人類の敵「エンダーズ」の脅威がいまだ残る地上で、人々は「ネスト」と呼ばれる集落を形成し、人類双対思考型AI搭載ヒューマノイド「メイガス」と共に日々を送っていた。
西暦2242年。荒廃した地上でエネルギー資源を採掘する冒険者「ドリフター」になることを夢見る青年・カナタ(CV:大塚剛央)はある日、すご腕のドリフター・トキオ(CV:小林裕介)と一緒に廃虚となったミュージアムを捜索中、記憶を失ったメイガス・ノワール(CV:古賀)を発見する。ノワールは日常生活に必要なスキルが欠如しているポンコツメイガスだったが、エンダーズとの戦闘では抜群の能力を発揮。カナタはノワールをパートナーとして迎え、ドリフターとしての道を歩み始める、というストーリーだ。
主人公のカナタの成長を、ノワールとの関係性を軸に描いていくのだが、ボーイミーツガールからの王道の展開やさまざまな伏線が張られたワクワクするストーリー、「クレイドルコフィン」と呼ばれる機動兵器によるロボット戦闘シーン、個性豊かな登場人物たちが織り成す人間模様などさまざまな魅力のあるアニメなのだが、中でも声優たちの名演も醍醐味(だいごみ)の一つ。特に作品の鍵を握るキャラクターであるノワールの声を担当する古賀の演技がアニメファンの心をつかんだ。
ノワールは「0型」と呼ばれた特別なメイガスの一機なのだが、なぜかカナタと出会うまでの記憶がなく、ちゃんとアウターが着られなかったり、物事をよく知らないなど戦闘以外は全く役に立たない少女のようなキャラクターで、時にカナタをどぎまぎさせる場面がある。
古賀の演技に感心しきり
そんなノワールの声を担当した古賀は、“生まれたて”のように平坦に話しながらも声に透明感をまとわせており、聞き心地の良い音を並べたような雰囲気で、他のメイガスとは一線を画した存在であることをせりふ回しでも表現。さらに、話数を重ねるにつれて描かれるカナタとの信頼関係や心の成長なども繊細に演じ、人間らしくないはずなのになぜか感情移入してしまう愛らしいキャラクターとして成立させた。
加えて、第1クールのクライマックスで出現したノワールの別人格「ミステル」とのギャップは圧巻。ノワールとは真逆の性格で、見た目はもちろんせりふ回しや口調さえも違うのだが、声のトーンを変えないことでしっかりと芯の部分では共通点を持たせて同一人物感を損なわないように演じている。1人2役というより1人1.5役のような微妙なギャップを生み出すバランス感覚には感服させられる。
SNSでも「古賀葵さんをノワール役に起用していた意味が分かった」「こういう展開があることを見越しての古賀葵さんの起用かあ」「CV古賀葵なだけありますわ」「このための古賀さんって感じ」と、ミステル出現による古賀の演技の素晴らしさを絶賛する声とともに、古賀の声優としての実力を堪能できたことに対する喜びの感想もあふれた。
第2クールでは、古賀がミステルをどのように演じるのか、そしてノワールはもう出現しないのかなど、古賀の演技によってより魅力が深まる作品になること間違いないだろう。
◆文=原田健
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/synduality-noir
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発売日: 2022/04/08