食中毒事件解決も残る謎
例の鱠が作られた厨房に入る許可がおり、猫猫は初めて見る武官の馬閃(CV:橘龍丸)に付き添われて役人の家を訪れる。厨房の棚で猫猫が見つけたのは、壺に入った海藻。それこそが役人、その家の主人の身体を蝕んだ食材だった。海藻はその時期に近郊の海では採れず、調べた結果、南方からわざわざ塩漬けにして持ち込まれたものであることが分かる。だけど主人の好物であり、普通なら誰も違和感を持たないだろう。
しかし、猫猫は海藻に毒があり、食べる際には石灰に漬ける必要があることを知っていた。もし今回、海藻が取り寄せられた地域に海藻を食べる習慣がなければ、その処理の仕方を知らなかったかもしれない。それを逆手に取り、役人に危険が及ぶ可能性をわかった上で食べさせたのだとすれば……。
猫猫の膨大な知識量に基づく推察は今回も見事に的中。犯人は厨房に鬼気迫る雰囲気で怒鳴り込んできた、主人の弟だった。動機は浅はかなものだったが、気になるのはなぜ彼が海藻の毒を知っていたかということ。10年前の食中毒事件と今回の事件が似通っているのは偶然なのか。前回のボヤ騒ぎもそうだが、1話完結の事件と見せかけて、実は後から全てが繋がるのかもしれない。
羅漢が壬氏に粘着する理由は?
毒マニアの猫猫にとっては、興味深かった今回の事件。テンションがすっかり上がった猫猫に「おかえりなさいませ」とメイドさながらのキュートな表情を向けられた壬氏は思わず悶絶する。猫猫が壬氏の部屋付きの下女となったことから、以前よりもはるかに顔を合わせることが多くなった2人。それは壬氏にとって喜ばしいことではあるが、少々困った問題も出てきた。
このところ、壬氏は軍部の高官・羅漢(CV:桐本拓哉)にやたらと粘着されていた。理由はどうやら緑青館に縁のある猫猫を下女にしたことにあるらしい。仕事でもないのにわざわざ壬氏の執務室に来て、思い入れのある妓女について語り始める羅漢。変わった妓女で芸は売れど身は売らず、客に茶を注ぐ時でさえも下賤の民に施しを与えるような尊大な目を向けていたという。
そんな彼女にうつつを抜かしていた羅漢の「背筋にぞくぞくとくる感覚がたまらないものでして」という言葉に壬氏は思わず身につまされる。なぜなら、妓女と羅漢の関係は、猫猫と壬氏の関係によく似ているから。ただ羅漢は自分の欲しいものは何が何でも手に入れる性格のようで、2人の金持ちが取り合っていた妓女の希少価値を汚い手を使って下げたそうだ。
何を考えているかわからないその男は、知人である宮廷御用達の彫金細工師がのこした遺言状の解読を猫猫に依頼したいという。それは、果たして単なる興味本位なのか。壬氏から“四十を過ぎた軍部の高官で変人”と羅漢の特徴を聞いた猫猫がやたら反応していたのもきになるところ。
SNSでも視聴者の間で「今回の事件は羅漢が仕組んだものとして彼が知りたいのは猫猫の能力だけではない気もするし…何を確かめたいんだろうか」「羅漢の語る、どこか猫猫に特徴が似た妓女が母親だとすると父親は…」「妓女の価値を下げる方法って身篭らせることだったりするのかな?」「汚い手を使い、価値を下げたって毒でも盛ったのだろうか」といったように考察が行き交っている。
◆文=苫とり子
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