SHINee、集大成かつ新たな一歩を踏み出した6年ぶりの東京ドーム公演レポート「SHINeeただいまー!」
ロマンティックに歌い、MCで笑わせる
彼らが去ったステージでは、「1 of 1」に合わせてシルエットの5人が踊る映像が。今日この場にジョンヒョンとオニュは居ないけど「SHINeeは5人」という当たり前の事に改めて気付かされ、胸が熱くなった。
VTRが終わり、大きな拍手が起きる中、3度目の衣装チェンジをした彼らが現れ、「Replay(JPN VER.)」を。ロマンティックに3曲を歌った後、「Your Number」の最後のKEYの「Hey,Can you get your number?」というセリフをテミンが言ってみる事に。「ちょっと!携帯番号、ちょーだい!」とカッコつけて言った後、「ダメ?何で?…あっそうか…わかった…」とフラれる一人芝居で笑わせた。そして、ミンホも挑戦。流ちょうな英語の発音でシブめにキメて、ファンは大歓喜!だが、本家のKEYは「3.5(点)。フツー…」と厳しい評価だった。
他にも、ミンホとKEYがLE SSERAFIMのダンスをしたり、ミンホが「反対側」と言うところを「へんたい側」と言い間違えて大笑いになった後、テミンが「SHINeeも好きで、皆さんも好きな曲だと思います」と「Keeping Love Again」を。コンサートは終盤に向かっていく。
「Fire」で、再びムービングステージに乗ってバックステージに行った後、会場中のペンライトが白になり、まるでダイヤモンドの海のような雰囲気の中で「Diamond Sky」を。そして、客席に“LOVE”の文字が浮かび上がる中での「LOVE」。会場が感動に包まれて本編が終了した。
感動の連続のアンコール
アンコールを待つファンは「君がいる世界」の大合唱でSHINeeの登場を待つ。客席を映すLEDにファンの1人が掲げていた「5HINee is Forever」という“S”を“5”にしたボードが大写しになり、歓声と大きな拍手が沸き起こった。そして、「SHINee!」「Fuh Fuh!」という彼らのコンサートでおなじみの掛け合いがしばらく続いた後、下手にトロッコに乗った3人が登場。アンコール1曲目は、コンサートでは初披露となる「Super Star」。客席にサイン入りの円盤を投げたりファンサービスをしながら、バックステージへ。
続く「Runaway」では、ジョンヒョンの歌う時のクセをマネしながらミンホが歌い、それを見てKEYとテミンが微笑む。こちらも、シンクロ率に笑うと同時に、彼らは哀しみから一歩前に進めたんだな、と胸がいっぱいになった。
「The Feeling」で再びトロッコに乗り、今度は上手から移動。曲に合わせて楽しそうに踊るミンホに合わせてテミンも踊る。メインステージに戻った3人は、アンコール前にファンが歌ってくれた「君がいる世界」に感謝して歌い出す。すると、またファンも大合唱。この曲は、今回のツアーで歌いたかったのだが他に歌いたい曲が多くて、残念ながら漏れてしまったんだそう。
「もっと近づいて話しましょう」と、ムービングステージで会場の後ろまで移動した3人。今回、彼らは何度もセンターステージやバックステージにやって来た。遠くの席でも寂しい想いをさせないように気遣ってくれる優しさが嬉しい。
SHINeeは昔も今もこれからも「5人」
そして、何年も歌ってなかったが、SHINeeにとって思い出と特別な意味がある「Colors Of The Season」を。ジョンヒョンの歌声が聞こえ、KEYは涙が止まらなくなった。我慢しようとするが溢れる涙…。彼は声をふり絞るように自分のパートを歌っていた。今回、合間のVTRもだが、ジョンヒョンとオニュを感じさせる場面が何度もあった。SHINeeは「5人だった」のではなく、昔も今も変わらず「5人」なのだ。そしてこれからも、何があっても、居る場所が違っても「5人でSHINee」。そんな想いを強く感じさせてくれるコンサートだった。
ファンからのサプライズに号泣
SHINeeにとってもファンにとっても「最高の日曜日」となったこのツアーファイナルのラストソングは「1000年、ずっとそばにいて」。歌い終わるタイミングで、ファンが色とりどりのボードを掲げた。その光景を見て、ミンホは顔を覆って泣き出し、顔が上げられない。KEYとテミンも涙をこらえながら会場を見渡す。ステージから見ると客席いっぱいに「SHAWOL(ファンの名称)♡SHINee」の文字が浮かんでいたのだ。「SHINee」コールの大合唱の中、「本当にキレイ」と感謝の言葉を述べる3人。
客席をバックに記念撮影した後、テミンが「これからもボクたちが歩んでいくのを見守ってください。今まで本当にありがとうございました。そしてこれからもお世話になります」と言い、ミンホは「SHINeeは、今からスタートです!永遠に応援よろしくお願いします!」と叫んだ。そしてKEYは「(過去の曲を)いつか“懐かしい”と言いながら、歌う事、踊る事ができる日が来るのかな、って思った瞬間もあったんですが、それが美しく事実になって嬉しいです」と、ファンにお礼を。続けて、「この次のライブで、昨日会ったみたいに自然な雰囲気で会いましょう!」と、また会える日を約束してくれた。
ステージを去るのが名残惜しいように、彼らは上手から下手の端まで移動し、ファンに挨拶。テミンが「いつの間にか、ミンホさんまでファンの前で泣く事ができるようになりましたよね」とからかうと、すかさずKEYが「歳だよ、歳!」とイジって笑わせる。何度も「絶対、歳!」と言うKEYに、「そうか、これが絆か」とおかしな納得をするテミン。そして、「歳か?どっちだろう…」と混乱する末っ子(笑)。笑いに包まれたまま、「せーの!ありがとうございました!また会いましょう!」と元気いっぱいに挨拶し、「TOKYOサイコー!」とサムズアップして、3時間の公演が終了。SHINeeが新たなフェーズに入った事を確信させた今回のステージだった。
◆取材・文=鳥居美保
KAKAO ENTERTAINMENT
発売日: 2023/07/03
ユニバーサルミュージック
発売日: 2023/04/26