水谷豊、岸部一徳・檀れいとの共演作は「肩の凝らない時代劇」
水谷豊 コメント
今回初めて裃(かみしも)を着たのですが、改めて時代劇を撮っていることを実感しました。ただ、今回、僕が演じる半兵衛は早く欲も得もなくして楽になりたいと思うキャラクターなので、それほど立派な武士でなくていいんです(笑)。僕にも半兵衛のように思う時がありますし、それが人間の理想だと思います。どこか半兵衛が自分と重なるようにも感じています。
本格的な殺陣の経験はあまりないので、刀を使った殺陣は少し不安もありましたが、やってみるといいものだなと思いました。不思議なもので気が付くとみんなが倒れていますし(笑)。
岸部さんは「相棒」のときは官房長役。僕より役職が上でしたが、今回の勝谷は幼なじみで僕が殿。僕の方が遠慮はいらないのですが、勝谷は生意気で図々しい(笑)。そういう関係性も面白いですね。
台本を読んでいたとき、檀さんの芝居を想像しながら読んでいたのですが、実際に撮影するとそんな想像よりはるかにいい。かわいらしくて芝居が面白いです。
今回は時代劇とはいえ、肩の凝らない時代劇だと思います。最近は“時代劇はこうあらねばならぬ”という肩の凝る時代劇が多くなったような気もするので、普通に見られる時代劇の形、そんな理想を今回の作品に求めているような気がします。
岸部一徳 コメント
僕が演じる勝谷は、側用人…いわゆる秘書のような人物ですが、今まであまりそういう役をやったことがなかったんです。今回はとにかく水谷さんが演じる半兵衛にずっとついて回る役だったので、こんなに出番が多いとは思いませんでした(笑)。でも、それがすごく楽しくて面白いですね。「相棒」のときよりももう少し距離が近い相棒になった気分で楽しんで演じています。
水谷さんもキチンとした侍の魅力もあるのですが、隠居をしたいという日常生活に重点を置く役がとても似合うと思いました。そういう意味では水谷さんの新しい魅力が出ている、これまでとはまた違う水谷さんが見られると思います。
時代劇を見ている人は“時代劇という形”を楽しむのではなく、その中の人間を見て感動するという人が多いだろうと思っています。そういう意味で伝統的なものを基本に、いろいろな時代劇を作ることが必要だと思います。この作品では新しい形の時代劇をお届けできると思っています。
檀れい コメント
今まで時代劇では耐え忍ぶ女性の役が多くて、今回のようなお転婆という役はあまりなかったので、どう演じようか悩みました。でも、(吉川一義)監督も楽しい方ですし、水谷さんと岸部さんのなんとも言えない息の合ったお芝居がとても面白い。三人一緒のシーンが多いのですが、私としてはどうにかこのお二人の間に入れないものかと、もがいていました。お二人の仲にジェラシーを感じるぐらい(笑)。
大奥に潜入するシーンもありますが、私としては大奥女中の衣装を着るのが初めて。衣装合わせのときからうれしくて楽しかったです。
水谷さんとは「相棒」で共演して以来になりますので、成長した姿をお見せしたいと思いました。岸部さんとはご一緒にお芝居をさせていただくのは初めて。静かな方ですが、ぼそっと言う一言や、表情がなんとも言えずおかしかったです。
今回の作品は時代劇ですが、若い人が見てもきっと楽しいと思います。敷居が高いとか難しく考えないで見ていただければ、もっと時代劇が見たくなるのではないかと思います。
9月15日(金)夜7:00-8:54
BS朝日で放送